CULTURE

西宮ウォーキングガイド|古代ロマンとみくるま池編

日課レベルで地図を眺めているのだけれど、とにかく気になる図形があるのが上ヶ原浄水場のあたり。貯水槽が丸くて面白いけれども、直接訪れても入れないことは想像に難くない。そんな理由で未だウォーキングをしていなかったのです。

けれども、GoogleMapとOpenStreetMapを眺めているうちに気づいてしまいました。GoogleMapでは確認できないのですが、OpenStreetMapでは浄水場の北側から甲山森林公園の中のみくるま池に進む道があるのです。見つけてしまったからには行かずばなるまい、ということで向かってみました。

※GoogleMapでは甲山森林公園内の大きな通りは記載されていますが、細い道は記載が無いようです。

古墳や史跡に寄り道しながら、浄水場の外周をぐるっと回るコース

今回のコースは関西学院上ヶ原キャンパスの北西にある上ヶ原浄水場の南門付近を出発点としています。上ヶ原用水路、関西学院構内古墳に寄り道しながら、浄水場の周りを右回りにぐるっと回るように進んでいきます。浄水場の先は甲山森林公園に繋がっており、公園の入り口からみくるま池に向かって進みました。

今回の地図は①上ヶ原浄水場南門前をスタートし、②甲山森林公園の入り口、③みくるま池(甲山森林公園内)です。所要時間の目安は①~②30分、②~③10分、帰路に20分くらいです。地図上で白い幅のある道として表現されているところは足元はアスファルトです。ただし、浄水場は西に向かって高くなっているためアップダウンはあります。また、付近の上ヶ原用水路や甲山森林公園内は足元は土になっているところもあるため、しっかりと歩ける準備が必要です。

ちなみに筆者は大柄な30代男性です。写真をとったりメモをとったりしながら歩くので、足取りのしっかりしたおじいちゃんくらいの早さです。行きつ戻りつしながら適宜休憩もしています。移動時間は大体の目安にしてください。

①~②関西学院上ヶ原キャンパスの北西。浄水場は坂の上に。30分

10:40関西学院上ヶ原キャンパスの北西に上ヶ原浄水場はあります。この日は浄水場の南側にある門の前からスタートしました。正門は別にあるようです。また、近辺はコインパーキングが多く、車で訪れることもできそうです。

上ヶ原浄水場は西宮市内にありますが、実は神戸市の施設です。浄水場として100年以上の歴史を持っています。

浄水場を南から右回りで回っていくのですが、さっそく小さな用水路を見つけて寄り道します。江戸時代からある用水路のようです。

そこかしこに古い道標が残っています。甲山大師への距離を示す道標をこの後も多数見ましたが、梵字がなかなか素敵です。

道路ではない狭い水路脇の道を歩き回ります。結構近所の人も散歩しています。やがて、沢のようなところを見つけ、橋を渡ります。

関西学院上ヶ原キャンパスの柵の外にあるのですが、その名も関西学院構内古墳。フェンスで囲まれた土の塊、あ、頂上には大きな石が見えるな・・・ぐらいに思っていたのですが。

ぐるっと古墳の周りを半周すると、見事な石の通路が見えます。石を積んで作られた建造物の力強さ、そしてわかりやすい古墳らしさにテンションがあがりました。

再び、車道に戻ります。まさに浄水場の周りを囲む道の端緒がこの道標です。ここから甲山森林公園までは大体緩やかな登り道となります。

曲がりながら登る坂を、じわじわ進んでいきます。

ところどころ見晴らしのいいポイントも。ただし、騒音には厳しそうなので要注意です。

少し道を外れると、公園ではないものの、ある程度整備されていて歩くことが出来るエリアとなっています。地図上でも特に記載がなく、あえて呼ぶなら空き地なのかもしれないです。

やがて登っていった先には浄水場の正門があります。少しでしたら、浄水層と思われる設備も眺めることが出来ます。

実はこの浄水場の中にも上ヶ原浄水場古墳という古墳があるようなのですが、外からは見えませんでした。GoogleMap上には記載があります(写真は間違っていますが)。見学等は水道局に問い合わせる必要がありそうです。

こちらの六十六部供養塔も浄水場の柵の中にありました。なかなかの昔話感がある話が伝わっているようです。

浄水場の周りを進むと、関西学院のスポーツ施設があり、その先はさらに上り坂。といっても、5分も進めば甲山森林公園の入り口です。

②~③甲山森林公園に入り、みくるま池を目指す。10分

11:10甲山森林公園に入ると、地面も土がむき出しで、植物の主張も強くなってきます。地図や道標、看板を見ながらみくるま池を目指して進みます。昼間なら道標を見逃さなければ、だれでも簡単にたどり着けます。

甲山は岩が多いですね。大きな岩の間から植物が力強く生えてきています。

道端にある割れたような岩。よく見ると、棒を押し当てたようなへこみがあります。これはかつての石垣づくりのために岩を割ったときにつく跡のようです。

再び甲山大師への道しるべ。昔の人は山道でこの石だけを頼りに歩いていたのでしょうか。

やがて、屋根のついた建物とその先に水面。みくるま池に到着です。建物はトイレなのですが、2021年2月現在使用中止となっています。

一周で100mよりはあるくらいの池です。水面は山の色を映しているのか緑色(富栄養化なのかもしれませんが)、流れ込む水は透き通っていました。池の周囲は歩いて回ることが出来ます。

黒い水鳥?が羽を広げていました。誇らしげなポーズにも見えます。

広田山神社でみたコバノミツバツツジがここにも。水面近くの突起物は木の根が変形しているようです。

みくるま池は水をせき止めてできたダム池だそうで、橋の反対側に川になって流れ出しています。甲陽園で東川と合流します。

また、某アニメとなった作品でも登場するらしく、欄干のあたりが聖地のようです。

休憩。個人的にブームなコンビニのミニ羊羹を齧り糖分補給。荷物にならない大きさでリーズナブルな価格なので、ウォーキングのおともにぴったりです。飲み物は必須ですが。

このまま甲山森林公園を散策するのもよいのですが、来る途中に気になるものがありました。徳川大阪城東六甲採石場。かつての大阪城再建のために、この辺りから石、岩をとっていたようで、その跡地が残っているみたいです。

道標に従い、採石場跡方面へ。結構険しい感じの道です。ゴロゴロと岩が転がる風景はちょっとした異世界感を感じさせてくれました。

12:10浄水場南に戻ってきました。空はいつの間にか雲が消え、、晴れ渡っていました。今回はここまで。4858歩

広い甲山森林公園にはまだまだ知らないルートがいっぱい。

甲陽園の北側には北山緑化植物園や甲山森林公園などの自然豊かな景観が広がっています。普段は車で甲山森林公園は管理施設のある方から訪れてばかりいたため、別の方面からたどり着いたのは新鮮に感じました。それと同時に、まだまだ新しいルートはあると確信できました。

周りは御年輩の山歩き装備をした方が多く、少しは準備をして向かうのが無難です。

INFORMATION

みくるま池

  • 〒662-0001 兵庫県西宮市甲山町43
  • 0798-73-4600
  • 09:00~17:00(甲山森林公園管理事務所)
  • 阪急甲陽線甲陽園駅より徒歩25分