GOURMET
2022.02.17 2022/02/21
ナカムラヨシミ
西宮・人気店の舞台裏 vol.1 門戸厄神~gnome(ノーム)~
西宮には、数々の有名店があります。一見華やかに見える舞台の裏側には、 数々のストーリーがあります。そんな舞台裏にうかがいます。
gnome (HPより)
食材の生命力を活かした奥深い味わいのパンを。
大地の妖精「ノーム」を店名にしたのは、野菜や卵などの食材にもこだわったパンをつくりたいと考えたから。
自家製レーズン酵母や長時間熟成させた生地、丹波の農家から取り寄せた野菜や卵など、こだわりの素材と丁寧につくったからこそ生まれる奥深い味わいのパンを、ぜひ味わってください。
作り手の顔が見える「街のパン屋さん」
今回お話をうかがったのは、門戸厄神近くのパン屋さん「gnome」の明石(あかいし)さんです。どうぞよろしくお願いします。
明石さん:「よろしくお願いします。」
まず初めに、パン職人さんになられたきっかけを教えて頂けますか?
明石さん:「愛媛出身なんですが、親がパン屋を営んでるんです。そういう環境で育ってきたんですけど、 僕的には嫌やったんですね。(笑)パン職人になるって考えは一切なくて。大学に行って、就職に悩んでいくうちに、やっぱり手に職と言うのは強いのかなって考えになってきて、やってみようかなって始めたんです。業者さんに紹介して貰ったビゴの店で働き出しました。」
大学時代は?
明石さん:「飲食のアルバイトが多くて。飲食は面白いなっていうのがはじまりですね。」
お父様、きっと喜んでらっしゃいますね。
明石さん:「そうですね、あまり口に出さないですけど。喜んでるでしょうね。ここで一日手伝って貰った事もあるんです。不思議な感じです、あれは。ほんと不思議ですね(笑)」
お父様との関わり方も変わりましたか?
明石さん:「やっぱり会話をする事が増えましたね。他の仕事やったらこんなに仕事の話はせんのやろなって。そして、嬉しそうですよ。」
素敵なご関係ですね!
さて、「ビゴの店」、「ブルディガラ エクスプレス」で修行された後、2018年にgnomeをオープンされたそうですが、西宮を選ばれたきっかけは?
明石さん:「ビゴの店 仁川店で働いてたんです。そこで宝塚出身の奥さんと知り合って。この辺に土地勘があって探し出したのですが、ここ一軒目で決めちゃって(笑) まず、街のパン屋でやっていきたかったんで。ここは住宅地の真ん中にあって面白いと思って。もう4年になりますね。まだまだですけど、お客さんには恵まれています。ありがたいことです。」
お店のデザインは、どのように進められたのでしょうか?
明石さん:「DENさんがお店の改修をされてるって聞いて。見に行ってその日に決めました。感覚でいっちゃってますね。雰囲気も良いので。今もスタッフさんが買いに来られてます。」
お店をされていて、苦労される事ってなんでしょう?
明石さん:「オープン当初は、ものすごく苦戦しました。おいしいって人それぞれで。なんでこんな地域密着みたいな土地柄やのに、こんな硬いパン、シンプルなパンばっかりあるんだ?と耳にしたこともあるんで。 僕からしたら、一番日常に即してる気がしてるんですけど。 やっぱり、硬いだけで引かれる方もいらっしゃいますし。 ハード系のパンは、西宮であってもまだ馴染みが薄いのかなって。最近になって、ほんとに安定して売れるようになってきて。 少しずつ広まってきてるのかな。」
お店の紹介にも、こだわったパンを作りたいとありますが?
明石さん:「店をやろうと考え出してから、旬のもの、生のものを使っていきたいと思っていました。農家さんとのつながりを作っていきたくて、峰松農園さんを紹介して貰いました。その丹波内のつながりで卵農家さんも知って、オッケー頂いて。こだわっていると言うか、農家さんがしっかりしたものを作っているだけ、それに助けて貰っているだけですね。もっとこだわろうと思えば、小麦粉とかもオーガニックを使ったり。塩だけとっても色んな塩もあるし。
だけど、手の届く範囲で街のパン屋さんとしてやっていきたいので、その辺は考えながらやっています。 やっぱ、農家さん、作り手さん達と話しながらやるのだ面白いし、僕の中では自然というか、腑に落ちてる。大量生産するとかより。」
色んな「つながり」を大切にされているな~って感じました。
明石さん「ルビアンさんも、そうです。西宮阪急にも入ってるパン屋さんの。
レシピを持ってきてくれたりするんです。凄い気にかけてくれてる気がして嬉しいですね。コロナ禍で、大丈夫か? どうや? って2,3回来てくれたかな。
凄く優しいおじいちゃんみたいな存在ですね。怒られるんですけど絶対(笑) でも、凄い嬉しい人です。みてくれてるんでしょうね。」
お休みの日は、どうされてますか?
明石さん「2日休みなんですが、月曜は半日、火曜は一日ここにいるんです。休みが半日しかないので、どこにも行けてないですね。やっぱりガーデンズかな(笑) 以前はパン屋巡りをしてたんですよ。でもお店を始めてからなかなかいけてなくて。今はインターネットとかで取り寄せたりしてます。」
美味しそうなパンがたくさん並んでますが、おすすめの食べ方を教えて頂けますか?
明石さん:「僕自身、パン屋さんに行ってまず買うのはバケット、食パン、クロワッサン、あとはハード系の何も入ってないのばっかりです。 やっぱりにシンプルに食べるのが一番好きなんで。バケットだったらバターだけで食べる。カンパーニュとか酸味のあるものは若めの青いオリーブオイルが合ったりするので。
バターひとつとっても、発酵や有塩、無塩であったり。海外のものも手に入るし。シンプルな組み合わせで、まだまだ色んな楽しみ方ができるんじゃないかな、自分なりの。お客さんから、燻製したオイルがあるよって教えてもらう事もあります。」
まだまだ進化していくgnomeさんのこれからは?
明石さん:「どうしても一人ではいっぱいなところがあるので、人を雇えるようになりたいなと。そうすれば色々と手を伸ばせるのかな。もっと色んな農家さんも知りたいし、自家製粉とかもやってみたかったり。 そこからまた小麦農家さんともつながったり出来るのかな。 そういうのも深くやっていきたいのはあります。質は良いけどそこまで値段は高くしたくないのもあって。
あとは、もっと自家製のものを増やせるのかなって思ってたり。例えば、ベーコン1つとっても。他にピールやドライフルーツとか作れたら面白いかな。 商品の種類も、もっとシンプルなものだけど季節によって増やせたり。 人を雇えたらですけど(笑)」
最後に、西宮の気になるお店を教えて頂けますか?
明石さん:「一軒目は、段上町のレサンス・ベーさん。シェフがちょこちょこ来てくれてて。あそこはかなりこだわってますね。もう一軒は、苦楽園のルメルクールさん。すごい人ですよね。一度行ってみたいです。」
本日はありがとうございました。
明石さん:「ありがとうございました。」
スタッフおすすめ!一番人気は食パン。
スタッフさんもおすすめ、一番人気の食パン(450円)は予約必須です。
こちらは国産小麦100%使用。
湯種のもっちりした生地で噛めば噛むほど優しい甘みを感じる自慢のパンです。
コンプレ(460円)も、ぜひ。
コンプレとは「完全な」という意味。小麦を丸ごと挽いた全粒粉が主体のパン。
全粒粉は白い小麦粉よりも食物繊維、ビタミン類、ミネラル類、
ポリフェノールなど美容と健康に欠かせない栄養がたくさん含まれています。どんな食事にも合う、これぞ毎日食べたいパン。国産全粒粉60%使用。
売り切れ続出!お目当てのパンを買うには?
現在、お店には1組しか入れないため、行列が出来ることも。
どんどん売り切れてしまうので、お目当てがたくさんある方は、
パンが一番揃う10時半過ぎがおススメです。
ちなみに、12時前後が一番混雑するそうです。
「パンボックス」でお取り寄せできます。
遠方の方には、お得な「パンボックス」があります(内容はお任せ)
80サイズの箱に9種類ほどのパン(冷凍)が入っています。お電話にてお問合せください。手書きのお手紙も入っています♪
早速、頂きました!
右上から時計回りに、コンプレ、バゲット、あまくさ晩柑とショコラブラン、れんこんチーズ、クロワッサン。コンプレは噛むほどにおいしい。食べてしまうのがもったいない!私はチーズを乗せたくなりました。バケットは、我が家はオリーブオイルと塩コショウしただけの豚肉のローストと一緒に頂きました。相性バッチリ!クロワッサンはカットした断面がとってもきれいで、切ってもポロポロしたり崩れたりしないんです!
上から時計回りに、あんぱん、練乳クリーム、明太子、りんごとベーコン、あんバター。あんぱんは 有機栽培の小豆を使った優しい甘さの小倉あんを使用。 練乳クリームは バター、砂糖、コンデンスミルクを混ぜ合わせた練乳クリームがたっぷり。明太子は無着色の明太子バターが使われています。季節限定のりんごとベーコンは、不思議な組み合わせと思いきや、ベーコンの塩味とリンゴの酸味が マッチしていてハマります! あんバターは大きくてバターも多い?と思いましたが、バランスが良いのでペロリといけちゃいます。
取材を終えて。
gnomeさんが外装工事をされている時から「絶対に美味しいお店が出来る!」と楽しみにしてました。(もちろん期待通り♪) どんな質問にも丁寧に答えてくださり、ありがとうございました。 スタッフの方々も親切な方ばかりで、楽しそうにお仕事されていたのが印象的です。「店長はとっても優しいけど、ずっと働いているので心配になります」とも仰ってました。いつも、「gnomeのパンって美味しいね~」と頂いてますが、今回の取材を通して、「gnomeのパン」が明石さんの作品に思えてきました。 地元の方々に愛される「街のパン屋」さん。ますますファンになりました! この取材中にパパになられました。おめでとうございます!
INFORMATION
gnome(ノーム)
- 兵庫県 西宮市門戸東町8-25
- 0798-51-3151
- 平日9時~15時 土日祝 9:00~14:00 (奥様育休中につき、時短営業中)
- 月・火
- 阪急今津線 門戸厄神駅より 徒歩7分
- https://r.goope.jp/gnomebakery