CULTURE
2020.11.14 2020/11/06
コウヤマヒロシ
西宮ウォーキングガイド|津門川を辿る編
CONTENTS.
北は六甲山系、南に進めば海に臨む西宮の地形。基本的に川は北から南に通っています。街の中を流れる川も同じで、水辺や橋のある光景を見せてくれています。今回は西宮の市街地を流れる津門川(つとがわ)に注目して歩いてみました。
門戸厄神の小さな流れが、今津では大きな流れとなって、東川に合流していくまで
普段あまり意識せずに通り過ぎる川にも名前はあります。私にとって津門川は、よく近くを通っているのですがあまり意識したことがない川でした。思い浮かべてみると、市街地を流れ、小さな橋が多数あるイメージです。
地図を眺めてみると、その始点は門戸厄神近辺。そこから南下して国道171号線、阪急、JR、国道二号線、阪神、国道43号線と交差しています。そして43号線を過ぎたところで東川と合流し、そこからは東川となるようです。この川沿いを延々歩いてみました。
今回の地図は①地図上で津門川の表記が見えるスタート地点、神呪町(かんのうちょう)②門戸厄神駅付近③西宮北口付近④国道二号線付近⑤三角公園となっています。所要時間の目安は①~②25分、②~③20分、③~④25分、④~⑤30分です。②~③の間でミニ水族館の見学などを行ったため、実際にはもっと時間がかかっています。全体的にアップダウンはあまりなく、市街地がほとんどです。
以下、詳細な地図です。地図上に津門川があまり出ていないため拡大しています。地図上のA~Gについては地図の繋がり、同一地点を示しています。諸事情により縮尺等ばらけてしまっています。
ちなみに筆者は大柄な30代男性です。写真をとったりメモをとったりしながら歩くので、足取りのしっかりしたおじいちゃんくらいの早さです。行きつ戻りつしながら適宜休憩もしています。移動時間は大体の目安にしてください。
①~②神呪町(かんのうちょう)、門戸厄神の門前ののどかな住宅街。25分
10:45門戸厄神は少し高台にあるのですが、そちらからの流れがいくつか地下を走り、地表に流出している地点が津門川の始まりです。生活用水や雨水、湧出した水などの水路が地下をチョロチョロと流れているのですが、ここからは川の体裁を保っている形です。水は割りと澄んでいました。ウォーキングの前日も晴れでしたが水量も結構あります。
※もう少し手前にも水の流れているところはあるのですが、Googleマップおよびオープンストリートマップで津門川のスタート地点となっているのはこの地点のようです。
少しのどかな光景が広がっており、川に沿って緑が植えられています。近所の人が手入れをしているのか何種類か花も見られました。
甲東小学校の手前には銀杏並木。黄色く色づいていました。銀杏も落ちた後みたいですね。
甲東小学校にさしかかる地点にお地蔵様がいらっしゃいます。
さすがに小学校の横ですので、「この川はきけん」の文字があります。年季の入った看板です。
この辺りは川沿いが車が入れない道となっていたり、住居の入り口のために小さな橋が多くかかっていたりします。
ビックリしたのはカニがいたこと。モクズガニの仲間だと思われます。確かに水がきれいに見えるので、カニも住めるのかもしれません。5cm程度の魚影もあったので、生態系ができているのでしょう。
モクズガニであれば河口から上がってきたことになるのですが、河口からは2km以上も距離があり、途中多くの堰や水の濁ったところもあるため、どうやってここまで遡上してきているのだろうと、思いにふけります。ちなみに一匹だけではなく何匹も見かけたので、誰かがペットを放流したものでもないようです。
門戸厄神駅に向かう道。片側は畑に面しており、のどかな風景です。
門戸厄神駅の手前で川は地下に潜ります。
②~③阪急今津線を横目に門戸厄神駅付近から西宮北口付近に向かう。20分
12:10門戸厄神駅前のマンションの前に再び川が現れます。水はまだ澄んでいるため、汚さは感じません。
ところどころ地下にもぐったり、小さな流れが合流したりしています。
途中であまりきれいではなさそうなところもありました。少し油が浮いていたようです。
また地下からの合流。さっきの茶褐色の川は支流だったのかもしれません。
川幅も安定して、両岸には植物が生い茂っています。
徒歩や自転車用の「丸橋人道橋」。この先、名前の付けられた橋が多くあらわれます。
国道171号線(イナイチ)との交差地点。水面からの高さが少し高くなっていました。
住宅街を通る津門川。先に見えるビルは西宮北口駅の近辺です。
カルガモさんが休憩していました。足がこんなに鮮やかな色だったとは。
年季の入った橋です。
津門川についての説明がある看板を見つけました。
唐突に謎のラッキースポットが現れます。「幸運橋」は白い橋でした。
川沿いに西宮市環境学習サポートセンターがあります。立ち寄ってミニミニ水族館を楽しんできました。
西宮北口付近の街の喧騒が近づいてきます。
津門川の看板、足もとのナマズのレリーフが唐突ですが、なかなかいい感じです。。
水は深くなってきて、濁りを見せます。鯉と思われる大きな魚が悠々と泳ぐ姿が見られました。
12:00阪急神戸線と交差します。その名もずばり「北口橋」。少し迂回すると、地下道を通って反対側に出られます。それにしてもこの近辺は塾が多いです。
③~④西宮北口駅近辺から国道二号線との交差、時代のありそうな橋をいくつも横目に通り過ぎる。25分
阪急神戸線の南側は「上両度橋」というようです。両度緑地がすぐ横です。
その先の橋は「球場橋」。西宮球場の名残なのでしょう。
12:10山手幹線と交差するのは「両度橋」です。
あしはらばしは漢字表記が見つかりませんでした。
12:20JR神戸線と交差します。「西塚橋」を過ぎると、地名も津門大塚町となっていました。
この辺りから川沿いの建物が低くなり見通しが良いです。
12:25国道二号線と交差します。「しんつとがわばし」の文字が見えました。西には阪急今津線の阪神国道駅が見えます。
④~⑤国道二号線から今津近辺、津門中央公園、三角公園へ。なんとなく景色がグラデーションのように変わっていく。30分
このあたりから川沿いには気が植えられているようです。柳、サクラなどが認識できる範囲ではありました。
「稲荷橋」「かえではし」「さくらはし」「もみじはし」。年季の入った橋が現在も生き残っています。
サクラの葉が秋を迎えていました。
今津西線と成尾御影線が交差するあたりが「仁辺橋」です。道路と複雑に組み合わさっているため、不思議な形状をしています。
川の上でカクカクした形をしている橋って珍しいのではないでしょうか。
「宝津橋」は橋梁が面白い形状をしていました。近辺では亀が甲羅干しをしていました。
川沿いの道路が途切れ、砂利の歩道エリアになります。
12:40「晴明橋」は幅の広い橋でした。陰陽師に関する謂れがあるのでしょうか。すぐそばには今津駅があります。
阪神神戸線が見えてきました。「宝津人道橋」「上津門川橋」が線路高架に沿って掛けられています。少し迂回しないと線路の向かいには行けません。
津門川町。「津門川橋」。このあたりが津門の名前の由来なのでしょうか。
ポンプ場の横には児童公園とお地蔵様。
国道43号線と阪神高速が見えてきます。
振り向くと晴れ間が出ていました。
国道43号線の走る橋も「津門川橋」の名前がついています。少し迂回して道の向かいにわたります。
津門中央公園。かなり広い公園で、野球グラウンドもあるのですが、公園の横を津門川は流れていきます。
「すみえはし」の先は三角公園。名前の通り三角形の公園です。三角形の一辺は道路、もう一辺は津門川、もう一辺は東川に面しており、その頂点の一つで津門川と東川が合流します。以降は東川になるようです。
13:10三角公園の頂点が見えてきました。わかりづらいかもしれませんが、左も右も川が流れてきて、目の前で合流して一本の川になっています。
ソテツが実を付けていました。
西宮のグラデーションを楽しむ
ウォーキングとしては道はなだらかで歩きやすいです。また、市街地を通っていくので途中でコンビニなどにもよりやすく、気軽に歩けるコースとなっています。個人的には程よい疲労感で、軽い運動にはちょうど良い感じです。
また、市街地なのですが、少しずつ風景、雰囲気が変わっていくのが見て取れて面白いです。門戸厄神、西宮北口、今津といったエリアですこしずつ空気が違うのが感じられる気がします。
電車も近くを通っているので、遠くまではいけないけれどウォーキングしたいな、というときに利用しやすいコースです。
INFORMATION
三角公園
- 〒663-8234 兵庫県西宮市津門住江町14−14
- 阪神神戸線今津駅から徒歩8分