CULTURE

西宮ウォーキングガイド|やくじんさん筋編

関西らしくなかなかポップな「やくじんさん筋」という名前を持つこの道。かつては「くらがり街道」という名前だったようなのですが(確認できず)、現在は門戸厄神東光寺にちなんでこの名前なのでしょう。阪急今津線の門戸厄神のあたりから甲東園を過ぎるあたりまでつながっているのですが、門戸厄神のすぐ前は通っていないことには要注意です。とはいえ、参道にはつながっているので、少し意識すれば問題なくたどり着けます。

今回は、やくじんさん筋を端から端まで歩いてみました。

車通りの少なく日当たりのよい住宅街に看板や道標を探し歩くコース

今回のコースはやくじんさん筋に沿って歩きます。門戸厄神駅の西400mあたりから阪急今津線に並行するように北に進み、甲東園駅の先で線路と交差するところが終点となります。

今回の地図は①門戸厄神駅の西400mあたりやくじんさん筋の端、②腹きり地蔵付近、③甲東園交番付近の踏切(やくじんさん筋の端)です。所要時間の目安は①~②30分、②~③30分くらいです。全体的に舗装のされた住宅街の中を通る道ですので、特にウォーキングに際して準備などは不要です。

ちなみに筆者は大柄な30代男性です。写真をとったりメモをとったりしながら歩くので、足取りのしっかりしたおじいちゃんくらいの早さです。行きつ戻りつしながら適宜休憩もしています。移動時間は大体の目安にしてください。

①~②門戸厄神駅の西方、やくじんさん筋が始まるところから参道を過ぎて。30分

10:50門戸厄神駅から西、国道171号線より北。旧西国街道上のT字路からやくじんさん筋は始まっています。そこにはやくじんさん筋の交通標識とともに、門戸厄神への道標が残されていました。厄神さんへの道を指さしている道標は、今風に分かりやすくしているのかと思ったのですが、どうやら江戸中期からあるものらしく、昔の人のホスピタリティ溢れるデザインセンスに感心しました。

神戸女学院への入り口です。刈り込まれた植え込みと門のところの警備員さんに思わず背筋が伸びます。

防火用水か養魚池なのかはわかりませんが、錦鯉や大きな金魚がゆったり泳いでいました。

普通の住宅地の中を通る道ですので、時々標識の存在を確認しながら進みます。

おもむろに電柱に張られた電車注意の看板。特に線路の近くでもなく「何故ここに?」感が強いです。

門戸岡田公園は小さいけれど日当たりもよく、小さなお子さんが遊ぶのによい公園です。その後ろには門戸会館、新門戸会館があります。

新門戸会館の先は、坂上の土地に墓地がありました。

やくじんさん筋に戻ると、門戸岡田公園のあたりから道沿いに小さな水の流れが現れます。かつてはこの辺りは農地で農業用水でも流れていたのかな等、適当に想像を膨らませます。

やがて西側に門戸厄神東光寺の看板が見えてきました。坂の先には東光寺があります。

11:10東光寺の看板の曲がり角を東側に振り返ってみると、「厄除まんじゅう」の文字が見えました。フラフラ吸い込まれて、厄除まんじゅうと草餅をひとつづつ購入。各130円。ばら売りしてくれているのがうれしいですね。1134歩

小学校のあった跡地らしいのですが、大きな石との関係は不明でした。

やくじんさん筋をさらに進むと、こちらも石でできた東光寺への道標。今回は東光寺へは向かわず、やくじんさん筋を歩き続けます。

腹切り地蔵という物騒なお名前のお地蔵さんがありますが、こちらはお腹に関するご利益があるとのこと。切腹とは関係なくお地蔵さんがお腹から折れていたことに由来するそうです。

②~③腹切り地蔵からやくじんさん筋の終わる甲東園交番前の踏切まで。30分

11:10腹切り地蔵の先に、トラップが待ち構えています。まっすぐやくじんさん筋を歩いていくと現れてくるのが下の写真の光景です。少し変則的な五差路になっているのですが、やくじんさん筋の標識は横を向いています。左に曲がりたくなるところですが、正解はまっすぐ。緑のひさしのあるお店の前の道を進みましょう。筆者はもちろん左に行き、さまよいました。

やくじんさん筋に戻って、途中で甲山観音への道標を発見。後ろのお宅には桜か梅が咲いていました。

さらに進むと、新幹線の高架が見えてきます。

11:35新幹線の高架下は工事中。少し迂回して、新幹線の高架下の公園のベンチであんこタイム。一口サイズで程よい甘さでした。2427歩

新幹線高架下を抜けて、北側へ。やくじんさん筋は水の流れとともに少しずつうねりながら続いています。

道の横に庚申塔が立っていました。今でも花が添えられており、この周りでも多様性を持った信仰が生きているのだと感じられます。円柱形の建造物は井戸の名残なのかな?

11:55甲東園駅の西側、学園花通りの坂が分岐しています。静かな住宅街を歩いてきたので、駅側がにぎやかに見えました。

道の西側には緑地が出てきました。小さな流れも続いており、緑が迫ってくるようです。どこからともなく「ホーホケキョ」の鳴き声が聞こえます。

花や竹など植生も様々な姿を見せてくれます。

12:00そして、阪急今津線甲東園駅より北側の踏切にたどり着きます。地図上ではここでやくじんさん筋は終わりのようです。甲東園交番も目印になりますね。3421歩

直線ではないところが古い道であることを教えてくれる。

やくじんさん筋は日当たりがよく、足もとも平らで、車も比較的少ないため、非常に歩きやすいです。ウォーキングとして気軽にあるくには最適です。

道がまっすぐではなく、蛇行しながら、水の流れに沿うように通っています。古い道ならではのことだと思われ、この道の昔を少し想像しながら歩くのもいいかもしれません。

INFORMATION

やくじんさん筋

  • 〒662-0828 兵庫県西宮市門戸西町2−26(門戸厄神東光寺)
  • 阪急今津線門戸厄神駅、甲東園駅より徒歩20分圏内


この記事を書いた人

コウヤマヒロシ

ライター

西宮在住10年くらいの兼業主夫ライターです。 二児の父。 地元の方から教わったお店や子供と遊べるスポットなど、フットワーク軽く発信していきます。

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