CULTURE
2019.11.02 2019/11/01
ニシマグ編集部
白鹿記念酒造博物館
白鹿記念酒造博物館は清酒「白鹿」の醸造元、「辰馬本家酒造株式会社」が創業320周年を記念してつくられ、酒ミュージアムとして親しまれています。白鹿記念酒造博物館は2つの建物に分かれています。1つはお酒に関する文献・美術工芸品などを保管・展示している「記念館」です。伝統的な酒 づくりがわかりやすく展示されている「酒蔵館」は、実際に使用されていた酒蔵を使用しています。
昔の酒づくりがひと目でわかる、「明治の酒蔵」
通称酒ミュージアムで親しまれている白鹿記念酒造博物館は、阪神西宮駅から徒歩15分ほどの距離にあります。徒歩すぐのところに「交通公園前」のバス停があるので、阪神西宮駅・JR西宮駅から出ている阪神バス(マリナパーク)行きに乗るのも良いでしょう。無料駐車場も用意されているので車でも行くことも可能です。
受付でチケットを購入して中に入ります。「酒造館」「記念館」の共通チケットになります。
酒蔵館として使われている建物は、実際に酒蔵として使われていた建物です。はっきりとした創建年代はわかっていませんが、過去2度の火災に見舞われ、阪神淡路大震災での倒壊も免れています。震災から3年後の平成10年に復興され、現在に至ります。
昔の酒づくりと日本酒文化を学べる展示
原料のお米から、市場に流通する状態のお酒ができるまでの工程を、展示・音・映像を使用して説明しており、酒づくりの工程に分けて展示しています。
酒づくりに使用される樽の大きさを体験できます。直径2m以上はあるでしょうか?人はラクラク入れます。
こちらはもろみづくりについて説明した展示。
大きなたるですね!中に入ってもろみができていく工程の動画が視聴できます。
中に入って見上げると…
もろみを仕込む職人が見えます。仕込まれるもろみの気持ちが少しわかります。
酒をつくっていた蔵人たちの生活も垣間見ることができます。酒づくりは寒い時期に集中して行われるため、繁忙期は寝る間もないほど忙しかったのだとか。
蔵人たちが食事をする「会所」と呼ばれるスペースも残っています。生活感がありますね!
酒づくりは唄に始まって唄に終わるとも言えるほど、唄は重要なものでした。
工程によって歌われる唄は異なり、蔵人たちは唄を歌いながら酒づくりに励んだようです。
唄がうまい・下手も昇進の重要なポイントで、唄が上手な人の方が早く昇進できたのだとか!そのため、仕事を覚えながら競って唄も覚えたようです。
日本酒を飲む際に使用される日本全国のぐい飲みを展示しているコーナーもありました。
兵庫県は「丹波立杭焼( たんばたちくいやき )」。
お酒づくりの貴重な資料を展示した「記念館」
「酒蔵館」の次は道路を挟んだ隣にある「記念館」を訪れました。
時代とともに酒づくりの方法は変化し、近代化するにしたがって昔の酒づくりの記録は少なくなっていきました。
酒づくりと日本人の生活文化の記録をを保存しているのが「記念館」です。
西宮から寄託され収蔵している笹部新太郎氏の所蔵品の書画・工芸品・文芸品なども同時に展示しています。展示品は撮影できません。
1年に5回ほど企画展を開催されており、私が訪れた時は歴史上の人物にまつわる逸話や物語の名場面を描いた作品を展示する「名場面」展が開催されていました。
チケットを購入した人にはささやかな記念品がプレゼントされるとのことでしたが…
この時の記念品は、白鹿記念酒造博物館の記念ボトルでした!
チケットと一緒に渡してくれて非常にびっくりしました 笑
普段自宅で日本酒を飲む機会はあまりありませんが、じっくりと味わってみたいと思います。
チケット1枚で「酒蔵館」「記念館」の両方訪れることができるため、酒づくりや西宮の歴史、江戸・明治・昭和初期の道具や生活に興味がある方はかなり楽しめますよ!
灘の酒蔵めぐりにおすすめ!
西宮市と酒づくりは切っても切り離せない関係にあると言えるでしょう。今昔の酒づくりについて思いをはせながら酒ミュージアムをたずねてみるのもおすすめです。灘の酒蔵をめぐるスタンプラリーが開催されるなど、楽しみながら酒蔵めぐりができるイベントも期間限定で開催されているのでぜひチェックしてみてくださいね。
INFORMATION
白鹿記念酒造博物館
- 〒662-0926 兵庫県西宮市鞍掛町8-21
- 0798-33-0008
- 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 火曜日(祝日の場合は翌日、連休に含まれる場合は連休明け休館)、年末年始・夏期休暇
- 阪神西宮駅より南へ徒歩15分 阪神バス「マリナパーク」行「交通公園前」下車すぐ
- https://www.hakushika.co.jp/museum/