CULTURE
2023.05.24
篠田生米
西宮市立郷土資料館で我がまちの歴史と文化財を知る
歴史スポットといえば、有名な寺社や城跡などが思い浮かぶ方も多いと思います。遠くに出向いて歴史観光を楽しむのもよいですが、地元の歴史に目を向けてみると意外な発見があるかも?
今回は西宮の歴史と文化財を学べる市内唯一の施設「西宮市立郷土資料館」にお邪魔してきました。筆者の感想を交えながら、展示の内容や見どころをご紹介します。
※展示室の写真は博物館の許可を得て撮影・掲載しております。
貴重な実物資料から西宮の歴史を学べる
西宮にまつわる資料を数多く収蔵している西宮市立郷土資料館。展示室には貴重な実物資料やパネル、展示模型が並び、西宮がどのような歴史を辿ってきたのかを知ることができます。
見応えのある展示模型や分かりやすい解説付きなので、歴史が苦手な方でも大丈夫!
目を引く江戸時代の生瀬宿の復元模型。かなり力を入れて製作されたものなのだとか
展示室には西宮で見つかった貴重な資料がたくさん
意外なようですが、西宮ではたくさんの古墳・遺跡が発見されています。発掘調査も進んでいて、 今から1000年以上前の西宮の姿も明らかになりつつあるのだとか。
これ、全部西宮で見つかったものなんだって!
西宮といえば昔から西宮神社がまちの中心だったようなイメージがありますが、実は神社が建つ前は別のエリアに集落があったのだそう。ちょっと意外です!
西宮神社周辺は 鎌倉時代ごろからにぎわいを見せるようになったのだとか!
人やモノが行き交うまち「西宮」
交通の要衝にあった西宮は、古くから人やモノが行き交っていました。江戸時代になると街道沿いに宿場町(西宮宿・生瀬宿)が発展し、大いに栄えたのだそう。また、酒造りや和紙造り(名塩)などの「ものづくり」も盛んなエリアでした。
このあたりは現代にも通じるところがあるのでピンとくる方も多いのでは?館長の俵谷さん曰く、「西宮は変わっているようで変わっていないまち」とのこと。
西宮・今津の酒造りについての展示。西宮で作られた上質な酒は、「下り酒」として江戸で大いにもてはやされました
「名塩紙」に関する展示。名塩紙は 襖や藩札の原紙として珍重され、江戸時代の名塩は大いに栄えたそうな
「大阪や神戸方面へのアクセスがよく、モノも揃っていて住みやすい」というのは、今も昔も一緒なのかも。外観は変わっても、西宮独自の風土は大昔から現代まで変わっていないと思うと感慨深いですね。
各種の展示催しも要チェック!
西宮に長年住んでいた筆者ですが、全く知らない西宮の姿に驚きの連続でした。また、展示を見て意外なところに遺跡があることを知ったので、今度からまちを歩くときはもう少し周りを見てみようと思います。
なお、今回は「常設展示」をご紹介させていただきましたが、西宮市立郷土資料館ではさまざまなテーマを設定した展示・イベントが定期的に行われています。「むかしの西宮」の最新情報を知るチャンスですよ!
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西宮市立郷土資料館「展示案内」
市内の歴史調査を行うボランティアが活動中!
西宮市立郷土資料館では、市内の歴史調査を行う「西宮歴史調査団(文化財調査ボランティア)」が活動しています。実際に現地へと赴き、地蔵などの石造物や古文書の調査・記録を行い、その成果は展示や現地説明会、報告書の形で発信しています。
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西宮歴史調査団(文化財調査ボランティア)
INFORMATION
西宮市立郷土資料館
- 〒662-0944 西宮市川添町15-26
- 0798-33-1298
- 10:00~17:00 (入館は16:30まで)
- 毎週月曜日、年末年始(12月29日~1月4日)※展示替え等による臨時休館あり
- 阪急電車「夙川」駅下車、南へ徒歩17分
- https://www.nishi.or.jp/access/hakubutsukan/kyodoshirokan/kyodoshiryokan.html