CULTURE

西宮自由研究会|福男への最短ルート測ってみたpresented by レックス

西宮で計測機器をレンタルする企業 「株式会社レックス」による、西宮をもっと知るための自由研究企画の第五段です!

「測る・計る・量る」をコンセプトに計測器であんなところや、こんなところ…
普段では目にすることのない西宮の秘密を覗き見していきます。

今回のテーマ「福男 最短ルートをはかってみよう」

「西宮」という場所を知らない誰かにどんな街か伝えたいときに、みなさんは一番になにを思い浮かべますか?

「福男」を頭の中に思い浮かべた人は多いのではないでしょうか。

それほど存在が大きく、西宮を代表するともいえる「福男選び」という神事は、毎年1月10日の本えびすの日に行われます。西宮には室町時代頃から居籠もりという習慣がありました。1月9日朝から夜中にかけて家に籠り、その時間が終わるとみんなが一斉にお参りに訪れたそうです。それが「福男選び」の起源ともいわれ、大正時代からは新聞などに取り上げられるほどの行事となっていました。「福男選び」というのはえびすさまへの信仰の深さから始まった歴史の長い行事なのです。

(参考:西宮神社公式HP

毎年参加人数が増えているところからみても、一年の始まり、そして本えびすという日に西宮神社の本殿まで思い切り走って良い1年のスタートをきりたい!と思う人も少なくないのではないかと思います。そして、さらに福男に選ばれたらとても嬉しいですよね。

そこで今回2024年春にレックスに入社した新卒5名、計測器のセミプロとして福男になるための攻略法を定量的に見出そうと思います!

測定コースは赤門から本殿まで!距離計による最短ルートの算出、滑り計により滑りやすいポイントを計測します。福男選びに参加しようか迷われている方も、毎年参加されているようなベテランさんも、西宮神社を訪れてみたい方も、西宮神社をよくご存じの方もぜひ参考にしていただきたいです。

西宮神社会館HP

事前予測は当たるのか!?いざ、実測の地へ。

右側コースが一番距離が短そう…右側を走ったら早く本殿に到着するのでは!?
そして、実際のコースの写真を見てみると走るのは基本的に石畳の上…。
石畳の材質もところどころ違うため滑りやすいところがあるのでは…!?と色々と予測をし挑みました。

いざ計測だ!と西宮神社を尋ねるとなんと本殿は工事中でした…。
滑りやすい場所として、私たちが一番気になっていた場所は、ゴールにある本殿入り口前の小さな坂でしたが、そこは残念ながら計測できず…。
しかし、こうして工事をして長い間守られているのだなとありがたく感じました。
工事は12月までを予定しているとのことでしたのでまた来年の1月の十日えびすのときにみることができるのがたのしみですね!
さて、本殿のゴール手前までは計測可能なので続行です!とてもあつい1日でしたが、輝く太陽の元、えびすさまに安全に、良き計測ができるようにまずはお参りをしました。

最短距離の計測スタート!

スタートの赤門からゴールの本殿まで右コース、真ん中コース、左コースの3つのコースに分けて距離を計測していきます。今回使ったのは「レーザーメーター DISTO D510」という距離計です。レーザーを出してそのポイントを対象物に当てることによってそこまでの距離を計測することができます。

4倍ズームのポイントファインダー機能により、厳しい測定環境下でも、精度の高い測定が可能。 建築物の高さや道路の幅員の測定に有効な機能を搭載。

私たちも初めてこの機材を使ってみましたが、地面と平行に機材を持ち対象にまっすぐレーザーを当てることが必要だということがわかりました。レーザーも私たちが使ったターゲット板が小さかったこともありなかなかレーザーのポイントを発見できず序盤は悪戦苦闘しましたが、次第に慣れて、手軽に正確に距離の計測ができる便利なアイテムだなと感じました。レンタルの際にオプションでカメラ三脚を付けることができるのですが、確かに三脚があると機材を安定して固定することができて計測しやすいなぁ、使われる方の気持ちになり考えることができました。

▼コースごとの距離

結果は予想通り…最短は右側のコース!
やはりゴールまでに右カーブが2点あるため右側のコースが最短でした。
西宮神社では赤門から本殿内までの距離は230mとしています。
取材時は本殿が工事中だったため、本殿内の距離は含まれていないので実際はもう少し距離があるはずですね。


さて走るコースは距離だけが重要ではありません。肝心の滑りやすさを次の計測で明らかにしていきます!

続いて滑りやすさの計測スタート!

途中からはチームに分かれ、もう一つのグループが計測したのは滑りやすさ!使ったのは「ポータブル摩擦計 3Dミューズ TYPE:37」という摩擦計。この機材を使うことで人が感じる触感を数値化することができます。

スキルや経験を必要としないポータブル摩擦計3Dミューズなら初心者でも簡単に物体間の静摩擦係数を測定できます。 室内の平面はもとより、傾斜面、壁面、天井面、さらには屋外でも、ポータブルだからどこでも摩擦測定が可能です。

走る地面の質感の違いを数値化してデータを取ってみました。数値が低いほど摩擦係数が小さく、そこは滑りやすいといえます。計測は意外と地味だったことが印象的でした。またぼこぼこした地面の方が測りやすいのではないかと思っていましたが、ぼこぼこしすぎているところは逆に難しく計測が不可能な個所もありました。逆に目では違いが判断できないつるつるした面になると数値がきれいに出たので細かな摩擦を計測するのに適していることがわかりました。

怪我をせずおもいっきり走りきるためにも滑りやすい場所は気を付けたいですよね。
参拝に行かれる方もこの記事を読んで滑りやすい箇所を要チェックです!
雨の日などは特に、地面の滑りに注意しながら安全に行っていただけますように◎

私たちが注目したのは、距離を計測したときと同じく、右側、真ん中、左側に分けたときのコースごとの平均的な滑りやすさと、石畳の材質が違う場所ごとの滑りやすさです。

▼コースごとの滑りやすさ

真ん中コースが一番滑りやすいですね。そして、逆に距離が一番短かった右側が一番滑りにくいことも発覚しました。数字での結果を見る限りだと、右側が圧倒的に有利なのではないでしょうか!

▼石畳の材質が違う場所ごとの滑りやすさ

※真ん中コースのコース序盤地点は、地面がぼこぼこしていて計測が不可能でした。

この結果からは、スタートを切る門近くの地面が一番滑りやすいことが発覚しました!
緊張と気合が高まっている場所でもあるのでより一層滑らないように気を付けていただきたいです…。
また、次に滑りやすいのが道が始まってすぐの石畳よりも、途中からの石畳でした。
コースの中間地点は、ゴールも近づいてきて、より一層みなさんの競争心も上昇している場所だと予想します。過去の福男選びを見ても今回の結果通り、スタート地点と中間地点で転んでいる方が多いように感じます。
走られる方は、上記地点が要注意ポイントになるのでぜひ頭の片隅にで置いておいてくださいね!

西宮神社の神主さんに聞いてみた!

西宮自由研究会スタッフ

境内を計測させていただきありがとうございました。
福男選びは江戸時代より前から存在し、もともと誰が一番にえびすさまに会えるかを競う文化があったと聞いたことがありますが本当でしょうか。

西宮神社

競うというより、一番にえびすさまにお参りしたいという気持ちから始まりました。
現在のように福男を選ぶようになったのは1940年(昭和15年)頃からですね。

西宮自由研究会スタッフ

お参りしたいという気持ちからなんですね!
福男選びも80年以上の長い歴史があり、新年の神事としてなくてはならないものになっていますよね。
参拝者は本殿を目指して走りますが具体的なゴール地点はどこになるのですか?

西宮神社

本殿内で神主に抱えられた時がゴールとなります。

西宮自由研究会スタッフ

そうなんですね。本殿に入るだけではなく神主さんに抱きつくまでがレースなのですね!
ではスタート地点で門を開ける役割の方々は、どのように決定されているのでしょうか。
開門にも俊敏さが求められるので、歴代の福男の方から選ばれるのかな?と思っていたのですが。

西宮神社

開門神事講社という福男選びを安全に運営できるようにと結成された団体が行っています。

西宮自由研究会

西宮選びの安全を守られている団体さんがいらっしゃるんですね!
たくさんの方々の協力によって継承されている福男選び、ますます魅力的です。
出場者のスタート位置はくじ引きで決定されるとのことですが、具体的にはどのような方法で行われていますか。

西宮神社

1月9日の22時ごろより抽選の受付を開始し、1月10日0時より抽選開始となります。
その抽選でA,B,Cブロックが決まり、さらにA,B,Cブロック内での並ぶ場所のくじ引きが行われます。
一番良い位置は最前列真ん中ですが、端の位置からのスタートで福男になっている方もいらっしゃいます。

西宮自由研究会スタッフ

倍率も高いと聞くので、抽選に当たり参加できるだけでもすごい確率ですし、その中で良い位置を獲得するとなるとそれだけでかなりの幸運の持ち主という感じですね!
詳しく教えていただきありがとうございました。

福男の最短ルートが判明!

距離・滑りやすさの計測結果から、ニシマグ的 福男への理想ルートは…

コースの右側をキープし走り抜けるルートです◎◎

私たちも実際に機材を使って計測するのは初めての経験でした。
様々な条件がそろわないと上手に計測できずに苦戦したり、正確な結果を得ることの難しさを身をもって感じることができたり、とても貴重な体験になりました。機材のことを勉強し、お客様が使われる環境なども理解して、よりもっとお客様に寄り添ったご提案をしていけるように頑張りたいと思うことができました。
そしてはじめにも述べた通り、もともと福男選びというのはえびすさまへの信仰心から、人々の誰よりもはやくお参りに行きたいという気持ちから始まった文化です。ぜひこれから福男選びに参加される方は、今回私たちが調べた結果を参考にしていただき、安全に、それぞれの1年の福を思いながらおもいっきり走っていただけたら嬉しいです!


そして…計測後は私たちも福男選びのコースを実際におもいっきり走ってみました!笑


今回、ご協力いただいた西宮神社の皆様、本当にありがとうございました。

太陽がよく当たり、気持ちの良い風が吹く、本当に素敵な西宮の神社ですのでまだお参りされたことがない方も皆様、ぜひ参拝していただきたいです♬