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鳴尾|美味しいうなぎが食べられる専門店

長い長い梅雨が明けると、今度はいきなり記録的な暑さが続く今年の夏。これはもしかしたらいま、うなぎを食べないと死んでしまうかもしれない。いや、きっとそうだ。これはもう「うなぎなんて贅沢な」とか言ってる場合ではない。ということで鳴尾のうなぎ専門店「成鰻(せいまん)」さんに行ってみました。

西宮で有名なうなぎ専門店

「西宮」「鰻」で検索すると上位にヒットする成鰻さん。国道二号線から小曽根線を南に折れて800メートルほど行った右手、トヨタのお店の向かいにあります。阪神電車の鳴尾・武庫川女子大前駅からは約700メートルです。その日も思いっきり暑かったので、軟弱者の筆者はセイラさんにしばかれてもいい(いやむしろしばかれてみたい)という覚悟でクルマでお店に向かいました。嬉しいことに、ここは無料駐車場ありなんですね。

メニューは「うなぎ」のみ

夏にはやっぱり、うなぎですね

うなぎの蒲焼きというとよく言われるのが、関西風と関東風ですね。うなぎの背中から開いて、一旦蒸した後に焼くのが関東風。反対に腹側から開いて、蒸さないで焼くのが関西風です。食べてみるともちろんそれぞれ特徴があって、とにかくふんわりやわらかいのが関東風、外がカリッと中はふんわりの関西風、って感じでしょうか。また、開き方なんですが、普通に考えて魚は腹側からの方が開きやすいような気がしますよね。でも実はうなぎって、背中からの方が開きやすいんだそうです。それでも関西は商人の街だったので「腹を割って話し合う」という縁起を担いで腹開きが好まれたという説があります。一方関東は武士社会だったので「腹切りは縁起が悪い」ということと、あと調理がしやすいからと言う理由で背開きが定着したと言われています。

蓋を開ける前から漂ううなぎのオーラ

また、いまでは「うなぎ」というと「夏」のイメージがありますが、江戸時代までは特にそういう感じではなくて、むしろうなぎは夏場に売上が落ちていたのだそうです。それで夏場にうなぎが売れる工夫はないかと相談された平賀源内さんが「土用の丑の日うなぎの日 食すれば夏負けすることなし」というキャッチコピー(これが日本初のキャッチコピーといわれています)を書いてみたらこれが大当たり、一気に「土用の丑にうなぎを食べる」という文化が定着してしまったのだといいます。本当かどうか、それはよくわからないですが。

蓋を開けるとうなぎ様が…

さて、お店の玄関を入りますと、顧客的コンパクトな店内には小さな座敷とテーブル席があります。また、メニューは壁に貼ってあるスタイルです。全体的にこう「飾り気のない昔ながらの食べ物屋さん」という感じの、なんとなく懐かしい雰囲気です。注文が入ってから焼くので、しばらく待ちます。例えば会社の昼休みが45分間とかいう人だとちょっと辛いかな、という感じです。しかし美味しいものは時間がかかるのですよ。知らんけど。

この輝き!ダイヤモンドは永遠の蒲焼きといいますが(いわない)

ご飯の中にもうなぎが隠れている

そして出てきたうな重松。ご飯の上にうなぎが二枚、そしてご飯の中にもあと二枚埋もれています。そう、「まむし」と呼ばれるやつですね。そして同行者が頼んだのはうなぎ丼のうまき吸物付。セットでお得なようでいて、実は別々に頼んだのと50円しか変わらないという微妙な価格設定はご愛敬。丼とうまきが並んだところを見ているとなんか豊かな、嬉しい気持ちになりますね。

ここの蒲焼きは関西風で、カリッとした歯触り。タレの味も絶妙です。うん、これは美味しい。お祭も花火もない、どこにも出かけられない夏らしくない夏。そのわりに暑さだけは例年以上に夏らしいというこまった夏で、なんとなく気持ちが下がっていたのですが、このうなぎを食べているとそういういろいろがどうでもいいような幸せな気分になります。

世界的に漁獲が減っていて値段が高くなっているうなぎですが、一方で近頃ではファーストフード店でも食べられるところがあったり、敷居が下がっている部分もあります。でもやっぱり、専門店の味にはなかなかかないません。鳴尾の成鰻さんはまさにうなぎ一筋、メニューはうなぎだけの専門店です。今日はちょっと頑張ってうなぎを食べよう、という気分の時にはぜひお出かけください。

INFORMATION

成鰻(せいまん)

  • 兵庫県西宮市学文殿町1-2-11
  • 0798-48-5345
  • 11:30〜15:00
  • 17:00~19:30
  • 日曜、お盆休み(8月12日~8月16日)
  • 阪神電鉄 鳴尾・武庫川女子大前駅から717m