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西宮・人気店の舞台裏 vol.4 阪神西宮~cafe lokki(カフェ ロッキ)~

西宮には、数々の有名店があります。一見華やかに見える舞台の裏側には、 数々のストーリーがあります。そんな舞台裏にうかがいます。

cafe lokki (HPより)  

昔から私にとってカフェは、

ぼーっとしたり考え事をしたり
心がしんどくなった時には
また頑張ろうと思えるような
癒しの場所でした。
そんな空間を次は
提供する側に立ちたいと思い
お店を開きました。

lokki(ロッキ)とは、フィンランド語で
「かもめ」のことです。
海の上を、風にのって
気持ちよさそうに飛ぶ姿は
私の癒しのひとつです。

心地よい風が吹く場所となるように
おなかだけでなく心も満たせる
そんなお店ができたらと思っています。

オープン1周年を迎えられました

― 阪神西宮駅から北東に徒歩5分、171号線を少し入ったところにある「cafe lokki」さんは、2022年4月でオープン1周年を迎えられました。今回は、オーナーの井上さんにお話をお聞きします。

—  まず初めに、こちらにお店をオープンされたきっかけを教えてください。

井上さん:「もともと神戸や京都のカフェで働いて、神戸では主に厨房を担当していました。京都では、市川屋珈琲と言う町家の喫茶店で接客とコーヒーを学ばせてもらいました。西宮出身なので、いつかは地元に戻ってオープンしたいと思っていました。」

— 「lokki」の由来は?

井上さん:「カモメが好きなんです。壁にかけてる絵の場所が、香川県の三豊市と言うところなのですが、おばあちゃんが住んでいたので、よく行ってたんです。夏でも冬でも、たくさんのカモメが気持ち良さそうに飛んでるんですよ。海を眺めながら、カモメが海の上を飛ぶ感じの名前を作られたらなって思い、フィンランド語のロッキにしました。昔から北欧が好きなんです。ロッキの響きもすごく気に入っています。」

お母様は、画家の井上よう子さん

お店に入って、まず目に飛び込んでくる大きな絵。この絵は、井上さんのお母様である、画家の井上よう子さんが描かれました。

井上さん:「お母さんの絵を飾った店にできたらなって、ずっと考えていました。あの絵は、私が撮った写真をもとに描いてくれたもので、お店を出す直前にサプライズでプレゼントしてくれたんです。昔から母の絵にも、カモメがたくさん出てくるんですよ。私がカモメを好きなのは、その影響も大きかったのかもしれません。母が個展に出した作品を季節によって掛け替えているので、それを楽しみに来てくれるお客さんもいらっしゃいます。癒される場所を作りたかったので、絵でも癒されてもらえたら嬉しいです。」

スコーンは、おばあ様から引き継いだレシピ

井上さんのおばあ様は、テディベア作家の井上久喜子さんです。60歳からテディベアを作り始め、 1000体超のテディベアを制作されました。テレビや雑誌にも取り上げられた有名な方です。

井上さん:「スコーンは、私が物心ついた時から、おばあちゃんが作ってくれていたものです。イギリスの人に直接教わったそうで、いつかお店で出したいなって考えていました。スコーンって、ザクザクしたイメージを持つ人が多いのですが、お店で出しているスコーンは弾力があり、どちからというとパンみたいな感じです。」

「おばあちゃんは、本当にすごい人です。尊敬できるおばあちゃんで、私もあんなおばあちゃんになりたいなって思います。テディベアもスコーンも30年でだいぶ極めて、完璧に作りあげるんです。そのおばあちゃんを尊敬する人がお客さんとして来てくれることもあります。店を通じて、母もおばあちゃんも、こんなに慕われているんだと改めて実感します。」

ちなみに、スコーンはテイクアウトが出来るので、朝ごはん用に買って帰られる方が多いそうです。

器は香川の「モーネ工房」さんのもの

お店で使っている器と看板は、井上さんの叔父さまである、作家の 井上正憲さんの作品です。お店の雰囲気に合う優しい色合いのものばかりです。

井上さん:「グレーの器は、昔から伯父が作っていたもので、このお皿を使いたいって考えていました。お菓子で使っている平たいお皿は、私がサイズを指定して作ってもらいました。箸置きや看板も伯父の作品です。北欧の感じとマッチするので好評です。一度だけ来てくれたことがあるのですが、伯父はとても頼もしい存在です。いずれは器を販売できればと思います。」

オープン1周年を迎えられました

井上さん:「イベントとかは、とくに考えていないのですが、いつも来ていただいている方には、ささやかに何か出来たらって思っています。これからも、大きく変えていかず、今のままを維持できたらと思っています。今は、ランチが一番人気なんですが、今後は喫茶にも力を入れていきたいです。よく、プリンやケーキをお持ち帰りできないんですか?って聞かれるので、いずれはお持ち帰り出来るようにと考えています。お持ち帰りのお菓子も時々は焼いているのですが、ちょっと余裕が出てきたので、もっと個数を増やしていけたらなって思います。」

— 井上さんの1日は?

井上さん:「早い日は7時半くらいに来て、スコーンを焼いたりと、仕込みをしています。11時オープンで17時半ラストオーダーなので、お店を閉めてから次の日の準備をしています。木曜日だけお休みの時は、仕込みで夕方までお店にいます。連休だったら、日帰りで出かけますね。昔から、色んな所を旅するのが好きだったんです。あちこちのカフェを2軒、3軒はしごします(笑)」

—客層は?

井上さん:「ランチタイムは30代、40代の会社員の方がメインですね。男性もたくさん来てくださいます。喫茶の時間は、年配の方も来られます。毎日来てくれるおじいちゃんもいます。たまに来られないと心配になるので、連絡先も一応聞いてるんです(笑) ゆげ焙煎所さんも近いので、スタッフさんがランチに来てくださいます。お客さんに恵まれていますね。 」

—最後に、西宮の好きなところを教えてください。

井上さん:「西宮は落ち着きますね。都会すぎないし、交通の便も良いですし。私が住んでいる所は海が近くてきれいです。西宮でいつも自慢するのは、やっぱりえびす神社ですね。十日えびすとか、いつも自慢しています(笑) よく行くカフェはcafe caho さんです。雑貨屋さんなら、夙川駅のsiroさんです。」

週替わり定食 を頂きました

ランチは、 メインに副菜、サラダ、味噌汁、白米が付きます。

メインの「アスパラと人参の肉巻きフライ」はもちろん、副菜のポテトサラダも丁寧に作られていて美味しかったです。ドレッシングも自家製です!栄養バランスも良く、週替わりメニューなので毎週通いたくなります。食後に頂いたコーヒーは、ゆげ焙煎所さんのものです。今週のメニューはHPでチェックして下さいね。

取材を終えて

自転車で偶然通りがかった時に見つけた、「cafe lokki」さん。井上さんの優しい笑顔に癒されました。初めてでも、もう何度も通い続けているように落ち着くお店です。取材させて頂いているのに、なんだか話を聞いてもらってるような感覚になりました。次はプリンを頂きたいと思います。ありがとうございました。

INFORMATION

cafe lokki

  • 西宮市江上町 2-17
  • 0798-56-9933
  • 11:00 -18:00(LO17:30)
  • 11:00~15:00
  • 木曜日 + 不定休
  • 阪神西宮駅から5分
  • https://www.cafe-lokki.com/