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西宮人vol.15 HIDEMI TAKECHI

Profile

武地 秀実

人形芝居えびす座 座長。(有限会社ともも代表取締役)
阪神大震災後、被害を受けた西宮中央商店街の復興に携わる。
人形浄瑠璃の源流である「えびすかき」を通し西宮中央商店街の復興に寄与。
人形芝居えびす座の活動と並行して地域情報紙「ともも」の発行人を務める。
西宮の情報発信の一翼を担っている。

西宮にゆかりのある、活動されている方を紹介する「西宮人」!
今回は人形芝居えびす座にて「えびすかき」普及の活動に取り組んでおられる人形芝居えびす座 武地秀実さんです。
略歴にもある通り武地さんは「えびすかき」を用い阪神淡路大震災以後の西宮中央商店街復興にご尽力されてきました。
取材を通し武地さんが「えびすかき」と出会われた経緯や「えびすかき」再興に取り組まれる理由についてお話をお伺いしました。

「えびすかき」との出会い

Wow!

武地さんが「えびすかき」と出会われた経緯をお教えください。

武地さん

阪神淡路大震災後に大手新聞社の地域紙の編集長として勤めていた企画会社を退職。それを契機に独立し、事務所を阪神西宮(西宮中央商店街)に構え、地域情報紙とももを発行することにしました。
西宮中央商店街は阪神淡路大震災の被害が激しく復興が遅れていました。人足も激減する中、少しでも盛り上げるために協力してほしい!と頼まれ、西宮神社の周辺に居た「えびすかき」が文楽や人形浄瑠璃の源流である人形遣いであったのを思い出したのです。

「えびすかき」再興の過程

Wow!

商店街の復興を契機に「えびすかき」の活動を始められたんですね。
「えびすかき」は武地さんが再興されたとお聞きしました。
どの様にして再興されたのでしょう。

武地さん

私が中心となり再興しました。「えびすかき」は約150年の間、伝承がなされておらず空白の期間がありました。
ですので、私が「えびすかき」を再興しようと思った時は情報が少なく大変苦労しました。
文献を当たったり、昭和の初めごろまで四国では漁師がえびすかきの真似をして演じていたらしく、80代90代のその人形芝居の記憶がある方にお話を聞き色々な情報を集めました。
また、淡路島で伝承されている「戎舞」が「えびすかき」から発展したものであることを知りました。そこから、学びなおし再興に取り組みました。

Wow!

ご自身でわずかな情報を辿りながら再興を図られたんですね。
「えびすかき」再興について、続きをお聞かせいただけますか。

武地さん

淡路島に行き、南あわじ市の職員の方から青年研究会のみなさんを紹介していただき「戎舞」を習いました。
淡路の戎舞は3人遣いなのです。
ですから、その戎舞を一人遣いにアレンジし西宮で伝承されていたであろう形として再興、人形芝居えびす座を開設しました。
地域の歴史文化財として、現在も続けていれば貴重なものですから、人形芝居えびす座での活動が震災で被害を受けた商店街の活気を取り戻す契機となればとの思いがありましたね。

これまでの活動、そして今後の展望

Wow!

「えびすかき」再興までには様々な過程があったのですね。
人形芝居えびす座開設後はどの様に活動を展開されていたのでしょうか。

武地さん

今はないのですが、この商店街に阪神淡路大震災の復興基金を使わせていただき戎座人形芝居館を創設しました。
「えびすかき」再興を機に建てられた常設の人形芝居の小屋です。
この戎座人形芝居館で「えびすかき」を上演していましたね。
この芝居館は5年間しか活動できなかったのですが、閉館後も場所を変え活動を継続しました。

Wow!

戎座人形芝居館閉館後はどこで活動を継続されたのでしょうか。

武地さん

西宮神社の宮司さまも活動メンバーのおひとりでしたので、神社で活動すればいいとお声がけをいただきました。
えびすかきだけでなく狂言や獅子舞など他の伝統芸能も継承しています。
私たち人形芝居えびす座は、西宮神社の祭りや毎月の10日に「えびすかき」を披露することになりました。
百太夫が人形操りでえべっさまの心をなぐさめたという伝説があるほど、古くからえべっさまと人形芝居は親密な関係があります。
ですから、1月5日の百太夫祭り、6月14日のおこしや祭り、9月23日の船渡御など主なお祭りでは「えびすかき」を上演しています。
西宮神社での活動に加え施設や学校、国内外のイベント等、様々なところからお声がかるようになりました。
えびす座はこの様な形で地域を盛り上げて、後世に継承するべく活動しています。

Wow!

貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございます。
「えびすかき」再興の過程を知ることができ、大変勉強になりました。
今後の展望や活動についてお聞かせいただけますでしょうか。

武地さん

今後の展望ですが、日本の歴史を伝える演目を「えびすかき」を通して表現できれば、と考えています。
絵本も作り日本の神話を伝えることができたら良いですね。

武地さんのもう一つの活動!地域情報紙「ともも」について

Wow!

ありがとうございます。
少し話題が変わりますが、武地さんは地域情報紙「ともも」の編集・発行人を務められているとお聞きしました。
地域情報紙「ともも」についてお聞かせいただけますでしょうか。

武地さん

「ともも」は西宮を思い阪神間の情報を届ける情報紙です。
心豊かな暮らしにと、西宮にとってプラスの活動をされている人やお店を中心に取材し紙面を作っています。
年に4回、発行をしています。

Wow!

次回の発行が楽しみです。
是非手に取って読んでみたいと思います。
本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

Wow!(就労継続B型事業所)

ライター

西宮にある障害福祉事業所です。 Wow!では、お仕事に関するお悩みを持つ方々を対象に「働くこと・働き続けること」をサポートしています。 就職を目指す取り組みの一環として、Wow!に通われている利用者さんがニシマグでのライター業務を体験、情報発信に取り組んでいます。

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