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西宮人 vol.5|YOSHINORI TANIGUCHI

Profile

谷口 佳典

ブーランジェリー・フリアンド オーナーシェフ
<受賞歴>
2011,2013年 兵庫県パングランプリ 優勝
2014年 モンディアル・デュ・パン日本代表最終選考会 優勝
2015年 第5回モンディアル・デュ・パン 世界5位
    健康と栄養パン部門 世界1位
2016年 第1回ベスト・オブ・モンディアル 世界4位
    健康と栄養パン部門 世界1位

ENA

西宮にゆかりのある、活躍されている方を紹介する「西宮人」第五弾!
夙川の老舗のパン屋さんブーランジェリー・フリアンド オーナーシェフの谷口佳典さんです。
本日はよろしくお願いいたします!

谷口さん

よろしくお願いします。

ENA

では早速なんですが、パン職人の一日ってどんな感じですか?
とっても朝が早いイメージです…

谷口さん

うちは給食にも出しているので、他のパン屋に比べると早いです。
僕は2時から、他の職人は4時からスタートします。
午後は店を出てメーカーさんとの打ち合わせや専門学校の講師をしています。

ENA

やっぱり朝早く、というよりもはや夜中!!
かなり早い時間からパン作りされているんですね。
朝が苦手な私からすると考えられない時間です。

谷口さん

みなさんに朝早くてしんどそうってよく言われますけど、僕自身はあんまり思ったことはないです。サラリーマンとか、他の業種職種それぞれにしんどさがあると思うので、パン屋だけがしんどいというのはないと思います。パン屋業界の中でも、パン屋になると決めたんならそれは言うべきじゃないよねってなってます。

ENA

職人魂みたいなものが感じられますね。
谷口さんがパン職人を目指したきっかけはなんですか?

パン職人を目指したきっかけは父の一言

谷口さん

私はこの店の3代目なんですが、最初はパン屋を継ぐとは全く思っていませんでした。
大学生の時、夏休みに店の手伝いでサンドイッチのパンをきっているところを父親が見ていて、「お前へたくそやな。こないするんや、ようみとけ。」と言われたのですが、
その時、人に「ようみとけ。」と言えるものが自分にはあるのか、と思ったんです。それをきっかけに昔からものづくりが好きなこともあり、自分もパンを極めようと考え始めました。

ENA

思わぬところできっかけがあったんですね!

谷口さん

人生のターニングポイントはどこに落ちてるかわからないものですよね。
でもそれを自分のものにできるかどうかはまた別の話です。

チャンスは平等にやってくると思うんですけど、それを掴もうとしたときにそれに乗っかれるだけの力が自分にはあるか。
そのためには日頃から常に考えて自分をスキルアップさせて準備しておくことが大事です。

私の場合、昔からものを数えるのが好きで今それが役に立ってます。
実はパン屋さんってパッと計算ができないといけないんです。粉と水の割合の計算とか。
どんな仕事でも、仕事が遅かったら稼げませんからね!

ENA

チャンスをものにするための準備をされてきたからこその今なんですね。
ちなみにパン職人ってどうやったらなれるんですか??

谷口さん

誰でもなれますよ!(笑) 調理師の資格もいらないですし。
衛生管理者の資格だけ取得すれば!

ENA

そんなこと言いながらも厳しい修業時代があったんですよね?(笑)
修行はご自身のお父様のもとでされたんですか?

自ら厳しい環境に身を置いた修行時代

谷口さん

いえ、父のもとではしていません。ドンクさんで6年半修行して、そのあとフランスに渡ってパン屋のシェフを2店舗して帰ってきました。フランスは日本と比べて材料が何もかも違い、いろいろ考えながらやらなければいけませんでしたね。でもそれが今に繋がっていると感じています。

ENA

ご自身の父親ではなく、ドンクさんで修行された理由って何ですか?

谷口さん

甘くなるでしょ?
やっぱり継ぐというからには、既存の職人さんの一番上に入っていかないといけない。でも職人さんっていうのは技術が身についてないと誰もついてこないんです。
なので必死にパンを覚えましたね。

ENA

なるほど!自ら厳しく追い込んだんですね。
修行時代を経て、数々のコンクールに入賞されていますね!
その中でもすごいのがパンの4大大会、製パン国際コンクール“モンディアル・デュ・パン”に日本代表として出場されていますね!
まず国内で勝ち抜くために努力されたことは?

パンのオリンピックといわれる“モンディアル・デュ・パン”に日本代表として出場

谷口さん

コンクールでもテストでも何でも一緒だと思うんですけど、ミスをしないこと。
減点方式なんでミスがないように反復練習しました。
後は普段お店で作っているパンとはまた違って、材料から考え直すので時間をかなりかけましたね。

ENA

日本代表になってフランスでの世界大会はどうでしたか?

谷口さん

やはりプレッシャーはありました。いろんな方、メーカーさんに支えられていたので、その期待に答えられるのかというプレッシャーがありましたね。

ENA

そのプレッシャーに打ち勝って数々の賞を受賞されたんですね。
話は変わりますが、パン職人を続けているモチベーションは何ですか?

普段の食事に選んでもらえるようなパンづくり

谷口さん

やっぱりパンを食べて美味しいと言ってもらえることですね。

料理屋さんでもお菓子屋さんでもないので、日常で食べてもらえるパンを目指しています。パンは嗜好品ではなく日用品だと思っていて、普段使いしてもらえるような商品構成というのを念頭に置いてつくっています。

ENA

日常に溶け込むパンですね。西宮の皆さんに愛されている理由が分かった気がします。
お休みの日はどう過ごされていますか?

谷口さん

休みの日でも休んでていいのかな?その間にほかの人に追いつかれないかな?と不安になって結局店に出てきてたりします。

ENA

仕事に対する熱意が半端じゃない!
休みの日もパンのことを考えているんですね!

谷口さん

そうですね。例えば美味しいものを食べに行くだけでもいいんです。

友達の家のたまご焼きって美味しくないでしょ?
それって自分のお母さんの作ったたまご焼きに食べ慣れていて、それが美味しいんだとインプットされているからなんです。
つまり美味しいものを食べていたらいわゆる舌が肥えるということ。
逆に加工品やジャンクフードばかり食べていたらちゃんとした味がわからなくなるんですよ。

ENA

なるほど。食に対する意識の高さがうかがえます!
モンディアル・デュ・パンの健康と栄養のパン部門では世界2連覇されていますもんね。

味だけではなく、栄養面も

谷口さん

そうですね。見た目味だけでなく、栄養面や健康面も評価される部門です。
例えば活性酸素などストレスや疲れが原因で発生するものを軽減できるような穀物を混ぜたパンや、日本人は塩分過多な人が多いので、食べ物で塩分を排出するような効果を考えたパンをつくりました。

ENA

健康志向が高まってきている今、毎日のように食べるパンの美味しさはもちろんですが栄養面にもこだわりたいですね。
西宮人恒例の質問です。西宮の好きなところは?

西宮人恒例の質問!

谷口さん

落ち着いていて、安全なところです。
子供さんがうろうろしても大丈夫なくらい、安心して暮らせるところが魅力的ですね。
あとは飲食店でもチェーン店ではなく個人店が多いところです。
お店によって個性があっていいですよね。

ENA

確かにこだわりが感じられるお店が多いですよね。
そんな中でも特におすすめのお店を教えてください!

谷口さん

すぐ前にあるタパタパタパスさんです。
パエリアが美味しいですよ!

ENA

早速いってみます!
本日はありがとうございました!

谷口さん

ありがとうございました!

INFORMATION

ブーランジェリー・フリアンド

この記事を書いた人

ENA

編集長

みやっこ歴は約10年。 西宮の色々な魅力をもっとたくさんの人に知って欲しい! そんな想いで私なりの西宮の楽しみ方を発信していきます。

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