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西宮ウォーキングガイド|武庫川沿いブラブラ、甲武橋~阪神神戸線武庫川駅編

西宮市から大阪方面に通勤、通学する人は毎日通り過ぎる、親しみ深い川が武庫川です。西宮市の東部、尼崎市との市境となっている二級河川で、その河川敷は治水対策の意味もあって広い面積が設けられています。クスや松など大木もあり緑豊かで、ウォーキングには絶好のスポットです。

一点、注意しなければならないのは水量です。大雨、台風、梅雨の時期は増水して危険な場合もあるため、川の流れる様子を見てご判断ください。

今回はこの武庫川沿いを新幹線の橋梁が見える甲武橋から南下し、阪急神戸線、JR神戸線、阪神神戸線の各線路や国道171号線、国道二号線、国道43号線(の手前)といった交通の要となる道路の下を通って阪神神戸線武庫川駅までウォーキングしてきました。

深い理由はないけれど・・・そういえば行ったことなかった

さて、今回のコース設定の理由ですが「そういえば行ったことなかった」です。西宮に住み始めて約十年、その間に3か所に住み武庫川とは着かず離れず良い距離を保ってきたのですが、じっくり歩いたことはなかったのが実情です。それじゃあこの機会にということで、甲武橋から川沿いを南下し続けるコースとしてみました。ずっと行ったら海に着くはずです。※甲武橋より北は仁川編で歩いてみました。

海や川など水辺が好きです。魚や鳥、植物といった生命を感じながら散歩するのは心が穏やかになる気がします。・・・そんな感じで、田舎出身だから自然があるところが良いのかなとも思っていたのです。しかし、今までニシマグに投稿してきた記事を見ると・・・もしかしたら自分は橋マニアなのではないかという気もします。

今回の地図です。基本的に武庫川の河川敷を川に近づいたり、離れたりしながらずっと南下する約5kmのコースです。所要時間の目安は①~②40分、②~③20分、③~④40分です。

ちなみに筆者は大柄な30代男性です。写真をとったりメモをとったりしながら歩くので、足取りのしっかりしたお年寄りくらいの早さです。何回かお年寄りに抜かれたので、もっと遅いかもしれません。行きつ戻りつしながら適宜休憩もしています。時間や歩数は大体の目安にしてください。

①~②甲武橋から阪急神戸線の鉄橋まで。武庫川の大きさ、緑の豊かさに気づく。40分

三時前、西宮市の東の端、毎度おなじみ甲武橋をスタートします。この日は少し曇っていましたが、気温も丁度良くウォーキングには向いているでしょう。なお、今回は万歩計を忘れているため歩数は不明です。

クスや松の大木があちらこちらに立っており、水辺に茂る植物と相まって緑が濃い雰囲気です。自動車用の道路を一番外側に、草の茂る土手、ボール遊びなどをする人もいるオープンスペース、自転車用に舗装された道、ウォーキングやランニングの人の多い土のエリア、そして植物茂る川沿いといった構成です。さらに、ところどころ護岸されています。土手では、段ボールを敷いて滑り降りて遊ぶ子供の姿があり、懐かしく感じます。

季節柄、葉っぱが瑞々しい色をしています。シロツメクサもところどころに咲いています。

かつて武庫川から農業用水を引いていた樋(ひ)の跡が残っていました。江戸時代のものらしく、石を組み合わせた土台がひっそりと残されています。

川を見てみると、ところどころ堰のようになっており、この日の水量だと川の真ん中あたりまで歩ける状態でした。実際に川を対岸に渡っている人もいました。川の中心あたりから眺める風景は、少し新鮮で、武庫川の大きさを感じることができます。この辺りはかなり浅く、底が見える程度の深さです。

豊富な緑と水量は多くの生き物への恵みを生み出しているのでしょう。密会するカラス、水中を泳ぐ亀、佇む水鳥などいろんな生き物を見かけました。

武庫川は昔から氾濫を繰り返しており、水に対する注意や緊急避難経路を知らせる看板がところどころにあります。どちらも割とシュールな雰囲気でした。

ようやく見えたピンク色の電車用の橋は阪急神戸本線のものです。車体のマルーンに合わせてこの色なのでしょうか。

②~③阪急神戸線の鉄橋からJR神戸線の鉄橋まで。一番賑やかなエリアかも知れません。20分

阪急神戸線とJR神戸線は、武庫川に掛かる橋が向かう方向ごとに2本に分かれていました。線路の間からの風景はちょっと見たことのない光景かも知れません。ちなみに阪神神戸線は一本の鉄橋に上り下り2本の線路が設置されており、武庫川駅もくっついて建てられています。橋の下をくぐると近くでトランペットの音が聞こえてきます。河原は楽器の練習をする人も結構多いです。

この辺りは西宮北口が一番近くの駅になるのでしょうか。川から少し離れた平たいエリアの造成がこの辺りからところどころで行われていました。

名神高速の橋は割と低くずっしりとした迫力ある姿です。

さらには山手幹線から伸びる山手大橋も見えてきます。橋の基礎が太く、力強い印象を受けました。

治水工事の一環として柵で囲って植物を育てているエリアもありました。のんびり歩く人が多く、今回のウォーキングで一番人とすれ違ったかもしれません。

対岸に兵庫県南武ポンプ場が見えます。四角い穴が川に向けて空いているのがちょっと不思議な感じです。大きなクスを眺めながら歩き続けます。

やがてJR神戸線の橋が見えてきます。結構ひっきりなしに電車が走る姿が見えました。

③~④JR神戸線の鉄橋から阪神神戸線の鉄橋まで。下から眺める2号線のカッコよさにしびれる。40分

JRの鉄橋も他の橋と同様に基礎はコンクリートでできているのですが、線路がむき出しとなる構造のためか、赤褐色に染まっています。年季を感じる姿です。

河川敷から出ると甲子園口というエリアまで来ました。自転車向けのレストエリアの看板がレトロで趣深いものでした。レストエリアはアスファルトのオープンスペースというだけでしたが。また、この近辺では最近伐採されたらしく真新しい断面を見せた切り株が多数見られました。

水面のそばに砂のエリアが出てきたため、降りて歩いてみます。誰かが積み上げた石のモニュメントがアクセントになっています。

さらに進むと、その先にはアーチ型の構造がカッコいい橋が見えてきました。国道二号線の橋です。ここまで通ってきた他の橋は飾りのないシンプルなものばかりでしたが、二号線の橋はデザインが施され装飾されており、どんな角度から見ても映える姿をしています。

ここまでほぼ直線に流れていた川が、湾曲しているところに来ました。少し風景が変わり、それだけでも新鮮に感じることができます。

魚が跳ねる姿や、地面に沿って伸びる松、集団で飛び去る鳥。多様な光景が見られることが、川沿いのウォーキングの醍醐味かもしれません。

最近、工事をしているエリアでしょうか。きれいに舗装されていてびっくりします。目の前で見る重機は迫力満点です。

やがて見えてきた阪神神戸線の鉄橋。この川の上の鉄橋には武庫川駅があり、また阪神武庫川線にも連結しているため、人の気配の多いエリアでもあります。さらに向こうには国道43号線(および阪神高速道路)の橋もあります。

再戦を期して、風景を脳内に刻み込め!

ここまで約5km、休憩を含めて2時間半ぐらいの行程です。17時ごろにはどこかの学校からかチャイムが聞こえます。尼崎の方からはサイレンが聞こえました。「あ、帰らなきゃ」子供のころに刻まれた記憶が帰宅を促します。空の色も心持暗くなった気もします。そういえば膝の裏も痛くなってきました。

本当は海が見たかったのですが、それは次の機会に取っておきましょう。今回のウォーキングはここで終了することにしました。戦略的撤退です。「今日はこの辺にしといたる」、吉本新喜劇よろしく捨て台詞を吐いての退却となりました。

今回歩いた武庫川沿いは、道は平たくウォーキングはとてもしやすいです。子供連れから、お年寄りまで幅広い年齢層の人が歩いたり、ランニングしたり、自転車で走ったりしていました。オープンエリアではボール遊びや楽器の演奏など、好きなことをして過ごすのにちょうどよいです。ウォーキングをするのにも、どの範囲を切り取ってもよいコースで、使い勝手はよいでしょう。これから暑くなる季節には、虫よけと日差し対策は必要です。

そして、今回も残ありです。つづく

INFORMATION

武庫川河川敷(代表地点として甲武グラウンドを指しています)