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甲子園|甲子園球場の南すぐ、間違いなくおいしい中国料理が食べられるお店

阪神甲子園駅を降りて西口を南へ。甲子園球場をぐるっと回り込んで、素盞嗚神社を過ぎたところで左手に見えてくるのが「中国料理・百楽」です。甲子園球場の南隣、と言ってもいいような場所なので、試合のある日には阪神ファンでいっぱいになるようです。シーズンオフの午後一時過ぎに訪ねてみました。

タイガースファンで賑わうお店

お店の真ん前が駐車場で、クルマが二台止められるのですが、そのせいでちょっとお店が目立たなくなっていて見落としてしまうかも知れません。

入ると店内はわりと広く、ゆったりとしています。お昼時を少し過ぎていたので、他には一組しかお客さんは居ません。ゆっくりとメニューを見ます。

天津飯の中身が白ご飯ではなくてチャーハンの「天津ヤキメシ」、また真ん中にとろっとした中華あんがかかった「あんかけヤキメシ」など、おいしそうな写真が並んでいます。

甲子園球場の周辺では、ご当地メニューで「甲子園ヒーロー揚げ」という骨付き唐揚げがあるのですが、ここの店でもそれを取り扱っているようです。

「火曜日は餃子が半額、170円」と書いてあったので、とりあえず餃子を二人前、それから天津ヤキメシ、あとチャーシュー麺を頼みました(ヒーロー揚げはまた今度にします)。

十分ほどで、料理が運ばれてきました。

チャーシュー麺は、厚手の焼き豚(煮豚)が五枚載っていて、なかなかにいい感じです。最近は薄手の焼き豚をいっぱいに敷き詰める流派が多いように思いますが、ここは昔ながらのスタイルです。見るからに「これは絶対においしいやつ」です。くせのない醤油スープに奇をてらわない普通の麺。これがいいんです。これが食べたかったんです。懐かしい味のラーメンに、うまみのしたたるチャーシュー。ザ・チャーシュー麺。そうなんです、これなんですよ。

天津ヤキメシは、文字通り天津飯の中身がチャーハンのやつでした。メニューの通りです。あたりまえですが。

実は筆者は天津飯が大好きで、中華の店に行くとよく食べるんですが、たまーに「この中身が白飯じゃなくてチャーハンやったらどんなんかなあ」とか考えてました。そう、これはまったくそれです。想像通り、大変おいしいです。実にしっかりとした味が付いてます。そして、中身には肉やタマネギなどの具材もしっかりと入っていて、チャーハンとしての自覚と責任をしっかりと果たしています。量もしっかりとあります。とにかく全体的に「しっかり」です。見た目は目立たないけどハートはパワフルです。さすが、天津ヤキメシというだけのことはあります(って、ちょっと意味不明ですね)。

そして、餃子。いや、これなんですか、妙においしいんですけど。とても個人的な感想なんですが、一般的なお店餃子にほんの少しうちの家の餃子テイストが混ざった感じ、なんですね。っても「うちの家の餃子」は誰も知らないと思うのでこれは伝わりにくいと思うんですが、でもそう書かずにおれない、やむにやまれない味なんです(どんなんや)。しかもこの日は火曜日だったので半額、一人前170円でした。これはもう食べないという選択肢はないやろ、って感じです。今度またいっぺん火曜日に行ってひたすら餃子を10人前ほど食べてみたい、そんな気分になりました。

街の中華屋さんにいこう

いわゆる街の中華料理屋さんは、1960年代に全国各地で一気に店舗数が増えたといわれます。時代としては東京オリンピックの前後ですね。そしていま、その店舗数が徐々に減っていっているという統計があります。大手外食チェーンが増えて、メニューや価格で対抗できなくなってきたという事情があるようですが、それ以外にも、その当時に開業した人たちが高齢化して引退していく時期だからということもあるようです。東京などでは「次のオリンピックまでは頑張ろう」という店主も多く、この先閉店ラッシュになるかも知れないとか。

街の中華の火が消えてしまうなんて寂しいことです。これからもどんどん食べに行こうと思いながら、しかしもう今日は食べたくないなあと満腹感いっぱいで店をあとにしました。

INFORMATION

中国料理 百楽 (ヒャクラク)