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甲東園|駅前の路地裏に”私の一杯”がありました

甲東園駅の東側、大きな集合住宅の南の年期を感じさせる薬局の横に、小さな路地があります。いくつかの飲食店が連なるエリアとなっているのですが、コロナ関連の事情で今はお休みされている店舗もあるようです。

そんな状況下、最近外装工事をしている建物がありました。真っ白に塗られた壁面に、どんなお店ができるのかと密かに楽しみにしていました。

密かすぎて忘れてしまっていたのですが、暑い最中に開店しており、たまたま通りかかると路地に面した窓が開け放たれています。そして窓の中から、道行く人にかけられる「こんにちは」の声。なにやら路地が明るくなったような気がして、今度寄ってみようと決めていたのです。

店名はcup of talk coffee。楽しみなことがひとつ増えた気分でその日は帰宅しました。

あなたの特別な一杯を

店内も白い壁面に木目の内装、控えめな照明、清潔間のあるこざっぱりとした空間です。2021 /8/18に開店したばかりなので、入り口にはお祝いの花が飾られていました。

調理スペース前に二席、壁際に二席のカウンターと二人がけのテーブルがいくつか。テーブルの上や調理場との仕切りにはアクリル板がたてられていました。店内での飲食とテイクアウト両方を考え、コロナ対策もしっかり行った配置となっていました。

今回はテーブル席に座ってみました。

差し出されたメニューは一枚のボードに。上の方に書かれた色鮮やかなドリンクも気になりますが、まずはcup of coffee を。メニュー上の記載は「あなたのコーヒー」となっています。

注文後、すぐに来てくれたのは嬉しいものの、手にはカップではなくボードと紙。一瞬、「紙芝居スタイルのコントが始まったらどうしよう。しかも天竺鼠の川原さん系のスタイルで」等しょうもなくかつ失礼なことを考えてしまったのですが、杞憂に終わりました。

広げられた紙には、好みのコーヒーのテイストを確認するためのキーワードが並んでいました。個人的に嬉しかったのは、表現が難しくなりすぎないように工夫してあること。これなら、味に関するボキャブラリー及び自分の味覚とその表現に自信の無いおじさんでも、流れに沿って指差すだけで好みの一杯にたどり着けそうです。

確か、「苦み」「どっしり」「ビター」「香ばしい」「酸味少なめ」「苦味多め」で注文しました。

やがて、コーヒー豆を挽いた音としばしの待ち時間の後に。マグ寄りなカップに黒々としたコーヒーが湯気をあげながらやって来ます。

カップにはあなたのコーヒーについてのカードが添えられていました。

注文通り、苦味を効かせてどっしりとした味わい、香ばしさ。でも、後味は思った以上にすっきりしていて、飲みやすい。

これが私の一杯。なんだか納得できてしまいました。

「あなたの特別な一杯を」はお店のコンセプトらしく、コーヒーの注文時には好みを聞いてくれます。イマイチ自分のコーヒーの好みがわからないという人でも、この方式なら、そのときそのときの自分に合うコーヒーを見つけられるのではないでしょうか。

路地側に面した壁面はガラスを大きくとり、外の日差しが入り込みます。また、出窓はテイクアウトの対応をしているため常にオープンしており、閉塞感を感じない店内となっていました。

お店のスタッフは店内にも気を配りながらも、路地を通る人への挨拶を忘れず、すでに地域に馴染んだお店になっているようでした。

溢れ出るエナジーが眩しい

スタッフの方々はキビキビと動き、でも空気間はとても柔らかい居心地の良い空間でした。

少しお店の方(店長さんでした)にお話を伺ってみると、cup of talk coffeeは店長さんが学生時代に始めたお店なのだそうです。

こちらの前には門戸厄神駅前のレンタルスペースや門戸厄神東光寺のイベントへの出店をされていたそうです。店長さんの学生卒業を期に本格始動し、神戸の流通科学大学にもお店があります。

今回は地元への出店とのことで、強い意気込みとエネルギーを感じます。

店名「cup of talk coffee」についても少し気になったので聞いてみると、先にも上げたお店のコンセプト「あなたの特別な一杯を」に加えて、お客さんとのコミュニケーションを重視する意味が「talk」に込められているのだそう。

英語の文法的な正しさより、コンセプトと重視する点を入れた店名にしたとのことでした。

スタッフも若い方が多く、すでに常連さんもいらっしゃり和やかな時間が流れていました。

なにより、40を目前にしてモヒカンのおじさんにも非常にフレンドリーに接してくれたのが印象的です。

ごちそうさまでした。

テイクアウトも充実

テイクアウトでメニューの一番上のドリンクを頼んでみました。

コーヒーをベースにしたドリンクに、キウイの果実、グレープフルーツのカットが浮かぶ、なかなか映えるやつです。

ベースのドリンクや果実の種類は選択肢豊富でした。

テイクアウトは路地に面した出窓から注文、受け取りが可能です。

テイクアウトの商品を待つ間、イスに腰掛けて過ごす時間も気持ちがよさそうです。

INFORMATION

cup of talk coffee @甲東園