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今津|しみじみおいしい地鶏料理が食べられる店

阪神間は、鉄道三社が並行して南北に走っている便利なエリアですが、一番北側の阪急と南側の阪神ではかなり距離があり、接続しているところはあまりありません。今津は、そんな阪急電車と阪神電車の駅が高架で接続している貴重な乗換駅です。乗降客も多く賑わっていて、駅前には多くの飲食店が軒を連ねています。

そんな今津駅前の北東側、一本外れた通りにあるシックな佇まいのお店、角鶏さん。

実に控えめな外観は、初めて来ると気付かずに通り過ぎてしまいそうです。

活気あふれる一階に対し、二階はちょっと落ち着いた雰囲気です。テーブルに置かれたコンロがカセットではなくてガス管の繋がってるタイプ、っていう辺りも、昭和のひとにとっては微妙にテンション上がりますね。

なんとなく懐かしい感じの和室なんですが、この日は階下から流れてくるのはモダンなジャズでした。

お店のおすすめは、なんといっても看板メニュー、宮崎地鶏のもも焼きです。炭火で焼かれて際立つ黒さ、「バラシ」と呼ばれる骨から身を外した炭火焼きのもも肉は、地鶏ならではの歯ごたえがあって、独特の香ばしさと相俟ってまさに絶品、癖になる味です。骨から外して(バラして)あるので食べやすいです。

個人的に骨付きの鶏肉はなんか勢い余って骨を噛み砕いてしまったり、まれに逆に歯が打ち砕かれてしまったりするのです。なのでやっぱり骨が外されていて安心してカプカプできるというのはとてもうれしいんですよね。これさらにまたテーブルに用意してあるフライにんにくをまぶして食べると本当においしいんですよ。

次に出てきたのがタタキ。さっきの炭焼きの口で食べるとこれがまたひときわ爽やかです。

そして、地鶏専門店ならではの鳥刺し。まるで透き通るような綺麗な身は、ぶりぶりと弾力があってじつに味わいが濃いです。

メインはお鍋です。冬はやっぱりこれですよね。地鶏の水炊き。確かな歯応えと濃い旨みのある地鶏、ほろほろとほぐれるつくね。あと、欠かせない名脇役おねぎと白菜。これらが渾然一体となって昭和風ガスコンロの上でぐつぐつと煮えている様はもう冬のシアワセ。これ絶対美味しいやつやん、ゆうやつですわ。

明石家さんま師匠も言うたはりました。シアワセってなんだっけ、ポン酢醤油のある家さ。昭和の人しかわからないことを勢いで書いてしまってますが、そうなんです、冬はやっぱりお鍋とポン酢なんです。

お鍋という料理の貴さを感じるのは、そうですラストの雑炊ですね。これまでさんざん地鶏の身から抽出しまくりたくったおだしとご飯が出会う瞬間、そこに玉子が立ち会って完成する真冬の完全食品、それが雑炊(なんか?しらんけど)。本日の食事はこの雑炊という着弾地点を目指してひたすら放物線を描いて飛んできた、そんな感慨さえ湧いてくるのであります。大団円、とでも言いましょうか。

しかし、しかししかし、ここでふとメニューを見てしまうわけであります。そこには「玉子かけご飯」というめくるめく誘惑の文字があるではありませんか。

英語で言うとTKG(英語じゃないし)。テクニカルノックアウトにも似たその強力な文字列の右肩には、さらにさらに反転文字で「日本一のこだわり玉子使用」というもはや反則級のキャッチが添えられているではありませんか。

既におなかはいっぱいですが、そこはそれ。「飲み会の後のご飯は別腹」という有り難いご教訓を思い出して、食べましたとも。いやいやほんともう、美味しかったですとも。当たり前じゃないですか。

えらい?いや、当たり前のことをしただけですよ。

このお店、お酒も充実しています(んだそうです)。同行の皆さんは盛大に飲まれていましたが、今回は仕事帰りにクルマで合流したので、ぼくはアルコール無しでした。

いやいやもう、思いっきりコーラを飲んでやりましたとも。このお店のコーラは特別に美味しかった(気がした)です。

皆さんもぜひ、お出かけください。

INFORMATION

地鶏もも焼専門 角鶏

  • 兵庫県西宮市津門呉羽町2−22
  • 0798-34-6536
  • 18時00分~23時00分
  • 月曜日
  • 阪急・阪神今津駅徒歩5分
  • http://www.kakkei.com/store.html