GOURMET
2019.10.25
コウヤマヒロシ
山口町|シンプルイズベスト!本格手打うどん
うどん、好きですか?
想像してみてください。ツヤツヤで白く輝くエッジの立った麺、黄金色に透き通ったダシ、噛んだときのあの麺が押し返してくるような感触とスルスルっとしたのどごし!ときおり無性にうどんが食べたくなるのは私だけでしょうか。
本格手打うどんを求めて、山口町へ
今回紹介するのは西宮市山口町にある「いわしや」です。手打ち麺とお店で作るダシで勝負するセルフのうどん屋さんです。
中国自動車道の西宮北インターを降りてすぐにお店はあります。道沿いにある「いわしや」の看板が目印です。
駐車場を過ぎると、力強い手打うどんの文字。これから現われるであろう麺に期待が高まります。
お店の前にはセルフサービスであることを伝える看板があります。
何を頼もうか、真剣に悩む
のれんをくぐって店内に入り、見上げれば木札のメニュー。まずはメインとなるうどんを選ぶのですが、麺の温冷、ダシの温冷、追加される具材や味付け、さらにはカレーうどんや釜玉系などが並ぶメニューの前でひとしきり悩みました。熱いダシのかかったうどんも食べたいし、ギュッと麺の締まった冷やし系のうどんも食べたい。いや釜玉もいいし、チーズ玉なんてのもある。カレー系もたまらないし、黒板のスペシャルメニューもそそられる・・・一瞬メニューの前でフリーズしてしまいました。
私がお店に着いたのは昼過ぎの15時ごろだったため、てんぷらは出ていなかったのですが、出ていないものは頼めば揚げてくれるそうです。メインの各種野菜は地元JAから仕入れている新鮮なもの。季節限定のししとうやしゅんぎくもあるそうです(来店したのは10月後半です)。
悩みに悩んだ末、「あつかけ」と「冷たいぶっかけ」をオーダーして席に移動します。2種類のうどんを頼み結構なボリュームがあると想定されるため、今回は泣く泣く揚げ物は控えました。
店内は8人から10人座れそうなテーブルが2つと、10席以上のカウンター席があります。店内全体が木目調で統一されており、落ち着いてうどんを食べられる雰囲気です。
しばらく待って、「あつかけのお客様~」の声で呼んでいただき、カウンター越しにうどんを受け取ります。
白く輝く麺、透き通った黄金色のダシ、刻んだネギだけ乗せられた一杯。シンプルで美しく見えます。
席でズームアップしてみると、麺はエッジ(端)が立っており、ほんのりと透き通っています。
伸びる前に、冷める前に早速いただきます。
むっちりとした歯ごたえのアツアツ麺にダシが絡む。シンプルながらも深いダシの香りが口の中に広がります。たまらないうまさです。
あつかけと格闘している間に冷たいぶっかけも出来上がったようで、店長が持ってきてくれました。
こちらは茹でた後に麺を洗って冷やしており、締まった麺はさらに輝いて見えます。ネギとレモンだけ乗せた姿は、ひとつのモニュメントのような完成度です。
もちあげた麺は冷たい濃いダシをまとって、ズルズルっと口の中に入り込んできます。あつかけよりもさらに強い歯ごたえで、噛みつくと押し返してくるような弾力を感じます。至福です。
ズッズッ、ズルズル、モギュモギュ。麺の感触をくちびるで歯で楽しみながら食べます。あつかけ、冷たいぶっかけと行き来しながら食べ進める無限ループが止まりません。
あっという間の完食です。しっかりとした手打麺のため、おなかにガツンとくるボリュームがあります。今回はこのボリュームを考慮して天かすを入れなかったのですが、セルフ方式のため自分でトッピングすることも可能です。
お店の由来や来歴、こだわりの麺やダシ、セルフ方式の導線について話をうかがいました
営業時間中はひきもきらずお客さんが来ていたため、ようやく閉店間際に店長にお話を伺うことができました。似顔絵はお店のバイトの方が書いてくれたそうです。左が店長、右は店員さん。絵の通り似た外見なのですが、親子ではないそうです。
店名「いわしや」は「ダシに煮干しを使っている」こと、「大衆魚であるイワシの親しみやすさと同様にお店にも親しみやすさを感じてほしい」こと、また「海ではイワシは大きな魚の栄養源であり大型魚がイワシに群がる姿が見られる。お店にもお客さんが集まってほしいという思いが込められている」ことなどが由来だそうです。2006/4/24オープンより、今年で14年目の人気店です。
入ってすぐのガラス越しのエリアはかつてうどんを打っていたスペースだそうです。今はうどんを打つのは二階で行っているそうで、このスペースはうどんを踏む工程で使用しています。
こだわりの麺は手打で毎日打っており、打った分はその日に使い切り。完全に全行程手作りなんだそうです。いつきてもその日打ち立ての麺を食べてほしいとおっしゃっていました。
またダシは煮干しと昆布をメインに店内でとっているもの。透明がかった薄目の色ですが、煮干しと昆布のうまみをしっかり感じるダシで生臭みは一切感じませんでした。冷やしてひやかけにしたときにすべて飲みきれるダシになっています。
セルフの導線にも秘密がありました。この写真をご覧ください。左の手前から右の奥に向かって注文していくのですが、どんな秘密が隠されているかわかりますか?
可能な限り出来立てのうどんを食べてほしいということで、先に天ぷらを受取り最後にうどんを受け取る順になっています。ほかのセルフうどん店に行ったことのある方はわかると思うのですが、うどんが先に出てきて天ぷらなどを後で選ぶ店も多いです。確かにお店の手間としてはそちらの方が効率が良いのですが、うどんを出来立てでという思いで、うどんが最後に出される導線にしているのだそうです。
店長おすすめのメニューは・・・ひやかけ
最後に店長おすすめのメニューをうかがったところ「ひやかけ」との回答をいただきました。シンプルイズベスト、麺とダシを一番シンプルに楽しめるため、おすすめのメニューなんだそうです。冷たいダシは手間がかかるので夏季しかやっていないお店もありますが、「いわしや」では通年で扱っています。
・・・先に聞けばよかった。ひやかけが食べたい。でもさすがに三杯目はおなかに入らない。これは近々にまた来なくちゃいけないじゃないか。
子供用食器などもあるので、今度は子供連れで来ようかと思います。
INFORMATION
いわしや
- 兵庫県西宮市山口町下山口3丁目12-20
- 078-903-3981
- 11:00~16:00ごろ 仕込み麺がなくなり次第終了
- 水曜日
- 中国自動車道 西宮北インターより車ですぐ
- http://iwashiya-udon.com/