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甲子園|虎にもコーヒーにもとことんこだわる、優しい男のコーヒーシェイブアイス

阪神甲子園球場の西側にある、生活道路。

タイガースローソンだった名残の白いビルの横を南下すると、野球開催時でもそれを感じさせない閑静な住宅地があります。

この道がかつて付近を流れていた枝川の支流・申(さる)川だったことを思わせる松の木がある辺りから、ほのかにコーヒーの香ばしいかおりが漂ってきます。

それに誘われるように進むと、コーヒー専門店がありました。

タイガース好きが高じて、トラの保護!?

Koshien Coffee Roasters という名前のとおり、店内でコーヒー豆を焙煎し販売。

ショーケースには、様々なコーヒー豆が並んでいます。

季節に応じて、地域名に合わせた「甲子園ブレンド」を販売しているのが特徴。

オーナーの吉岡勉さんは子供の頃から熱烈な阪神タイガースファンで、店の中には至る所に選手のサインだけではなく、なんと額装された球団歌「六甲颪」の歌詞まで飾られています。

それだけでなく「甲子園にあるコーヒー屋だから」という理由で、あるブレンドのコーヒーの売り上げの一部は、スマトラタイガーの保護活動に寄付しておられます。

その熱烈なファンぶりは「となりの人間国宝さん」に認定される程。

そんな吉岡さんですが、このお店を構えて今年で17年目になります。

夏のおススメは、コーヒーシェイブアイス

独立前には長野県の軽井沢で約8年間修行されたそうで、奥様と知り合われたのもこの時だったのだとか。

「夏のおすすめに、何かありますか?」と尋ねたところ、こちらを提案してくださいました。

コーヒーシェイブアイス、つまりコーヒーのかき氷です。

その工程の一部始終を見せていただきました。

まずは、円筒状に凍らせたコーヒーをかき氷機にセット。

時々機械を止めながら、削り加減も微妙に調整しているようです。

その都度、シロップを加えつつ、時には氷を押さえて積み重ねて行きます。

最後に、フワフワの氷を盛り付けて、練乳を掛ければ完成!

氷の口溶けの良さにはビックリするのですが、それ以上にふんわりと香ばしさが残ります。理由を尋ねたところ「ブラジル(という種類の豆)を、深煎りしたものを使っているから」とのこと。

下の方には粗めに削られた氷もあり、より苦味と渋味が加わって複雑な味に変化。

このレシピで同じようにコーヒーシェイブアイスを提供しているお店がメディアで取り上げられたり、またラジオ番組でも出演した方が紹介する等、知る人ぞ知る逸品になっている様子。

甘すぎるかき氷が苦手な方には打ってつけかもしれませんね。

因みに、アイスコーヒーもテイクアウトすることが可能です。

こちらも、普通の氷ではなく、コーヒーシェイブアイスと同じ氷を用いています。

なので、溶けてもコーヒーが薄まることはありません。

「どうせなら、最後まで美味しいコーヒーを味わって欲しいですから」とのこと。

阪神タイガースにせよコーヒーにせよ、こだわり続けるものへの愛情はとことんまで注ぐのが、吉岡さんのスタイルなのかもしれませんね。

虎党なのに、ツバメにも優しい!?

余談ですが・・・。

この店のテントには、ツバメの巣が2つあります。

糞がお客さんにかからないように、糞除けも付けられていました。

ここにも吉岡さんの優しさが垣間見えますね!

INFORMATION

Koshien Coffee Roasters