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2023.04.02 2023/03/31
センター
阪神西宮|紳士淑女が集う上海料理店の「牛肉味噌炒めのクレープ包み」!
筆者はライターの仕事を始めてから「町中華」という言葉を何度も使ってきました。「地域に根ざした大衆的な中華料理店」の意味で使っていたのですが、よくよく考えると「町にある中華料理店はみんな町中華じゃないの?」という疑問が湧いてきました。
そもそも「町中華じゃない中華料理店」とはどんなお店なのでしょうか。いろいろ考察してみましたが、なかなか考えがまとまりません。そこで、知っている中華料理店を順番に思い出していたところ、天啓が来ました。…ひょっとして「町中華」の対義語は「高級中華料理店」なんじゃないかと。
この考えが正しいのかを確かめるべく、今回は知る人ぞ知る中華の名店「上海料理 陳餐閣」(ちんさんかく)さんをご紹介します。
紳士淑女が集う上海料理店の名店
お店は、阪神西宮駅から南へ徒歩 5分のところにあります。近くには「焼豚ひちまる」さん、「カフェ・サボテン」さんがあります。
「上海料理 陳餐閣」さんは、2012年創業の上海料理店。本場、中国のホテルで修行を積み、現地の料理コンテストで何度も優勝した経験のある「特級調理師免許」を持つ、凄腕の料理人が作る上海料理が楽しめるお店です。
「上海料理ってどんなもの?」と聞かれると難しいですが、中国の上海市を中心に食べられている郷土料理で、上海ガニや小籠包などが有名です。
このお店、外見からはちょっとわかりませんが、高級感あふれるお店なんです。さっそく店内に入りましょう。
筆者がお邪魔したのは開店してすぐの時間だったのですが、40席以上ある店内すべてのテーブルに「RESERVED」の文字が。店員さんに「予約をしていない」旨をお伝えしたところ、何やら打ち合わせが始まり、何とか席を確保していただけました。そこまで人気のお店とは知らなかった…。
筆者以外にもたくさんお客さんがおられたので、写真は一部しか撮れませんでしたが、落ち着いた雰囲気の気品あふれるお店です。
ランチメニューです。コースになっているようで、サラダ、前菜、点心、おかゆ、デザートにドリンクの付いた「飲茶Aセット」、それにメイン料理が付いた「飲茶Bセット」。
サラダ、前菜、点心、メイン料理、ご飯もの、スープ、ドリンクの付いた「Aコース」、それに揚げ物が付いてスープがフカヒレスープになった「Bコース」の 4種類が用意されています。
悩みましたが、何となくお得感のある「Aコース」をお願いしました。メイン料理は「牛肉味噌炒めのクレープ包み」に。他の料理は想像できますが、どんな料理なのかわからなかったので頼んでみました。ご飯ものは「焼飯」、ドリンクはアイスコーヒーを。「焼飯」か「ライス」のチョイスを迫られると、ノーシークで「焼飯」を選んでしまいます。この 2択で「ライス」が選べる人を、筆者は見たことがありません。
できあがりを待っていると、続々とお客さんが来られます。みなさん会話を楽しんでおられますが…
「ご一緒できて嬉しいですわ」
「…まぁ、そうなんですの?」
「ボクのことはいいから、温かい紹興酒でもお飲みなさい」
…など、みなさんそろってお上品。服装もみなさんシャンとされていて、暗黙のドレスコードがあるのかと思ってしまうほど。「町中華」では聞けない会話ばかりです。きっとこんな方々を「紳士淑女」と呼ぶんだろうな…とか考えているとお料理が到着しました。
初体験の「牛肉味噌炒めのクレープ包み」!
まずはサラダ。パッと見、普通のレタスのサラダですが、そこかしこに工夫が散りばめられています。細く切られた大根など、レタスとは違った歯ごたえの野菜も入っているので、食感の違いが楽しめます。かかっているのは玉ねぎをベースにした、中華に近い和風しょうゆドレッシング。玉ねぎの甘みと、ほどよい酸味がサラダの輪郭を引き立てます。そしてクルミ。カリッとした食感と甘み、そして特有の香りがサラダの可能性を感じさせます。お上品でおいしく、飽きのこないお味。
続いてやってきたのは前菜 3種盛。
料理名がわからなくて恐縮ですが、なんかアサリのやつ。かむほどにアサリのうまみがジュワッと出てくる一品。素材の味を生かしつつ、野菜の食感を加えたご飯の進む味ですが、ご飯ものの登場はまだ先なので今は我慢。お酒を飲める人が羨ましい前菜です。
エビ。程よい塩加減でサッとゆでられていて、エビ本来のおいしさがストレートに感じられます。盛り付けも美しい一品。
豆腐干糸のサラダ。小麦を感じないので何の麺なのかわかりませんでしたが、干した豆腐の麺ですね。豆腐といえども想像以上に食感のある面白い料理です。ぜひ君の舌でも確かめてほしい!
そしてついに登場! 「牛肉味噌炒めのクレープ包み」!
なるほど、そうきますか。包み焼きか何かを想像していたのですが、自分で包む北京ダックみたいなスタイルですね。もっちもちの皮を開き、中に白ネギとわさび菜、牛肉を入れて、くるっと丸めます。
正解がわからないですが、とりあえず包んでみました。さっそくいただきます!
皮はもっちもち。クレープ生地の厚みがある、生春巻きの皮と言えばわかりますかね。とにかくもっちもち。かむほどに牛肉のうまみと皮の甘みが混じり合います。そこにパンチのあるみそのうまみが加わりますが、白ネギとわさび菜がサッパリさせてくれるので、いくらでも食べられる味。これはうまい!
繰り返しになりますが、皮がもっちもちで食べごたえのある一品。皮は 2枚付いているので、具材は半分ずつくらいを目安にくるんでいきましょう。
点心は海老シュウマイと小籠包。これも本当にうまい。海老シュウマイは見た目にも美しく、しっかりしたあんのうまみが口の中に広がります。小籠包のうまさはいわずもがな。ちょっと熱いですがスープがもったいないので一口で食べてしまうのも手です。本当に点心がおいしいので、「飲茶セット」の方も食べてみたくなってきました。
焼飯。ここでやっとご飯もの登場。パラッと炒められた、実に上品な焼飯。おかずがなくてもガンガン行けるおいしさです。間違いない!
黄金色の優しい味のスープ。細かく切ったえのきが入っていて、食感の面白さも楽しめます。すこしとろみがあって温まる落ち着く味。
最後はアイスコーヒー。シロップなども付いていましたが、ブラックで脂分を洗い流すのが筆者流。ゴクゴクとおいしくいただきました。
いやぁ、洗練された上品なお料理がいただける素晴らしいコースでした。もともと「町中華」との違いを見つけに来たのですが、途中からどうでもよくなってきました。ただひとつ、言えることは「やっぱり中華料理はうまい!」ということです!
おいしかったです! ごちそうさまでした!
筆者の胃袋力は回転寿司10皿分ですが「上海料理 陳餐閣」さんの「Aコース」をいただくとちょうどいい感じです。点心がものすごくおいしかったので「飲茶セット」を頼んでも楽しめること間違いなし!
「油淋鶏」がおいしいお店?
今回は、阪神西宮駅から南へ徒歩 5分のところにある「上海料理 陳餐閣」さんをご紹介しました。
紳士淑女が集う高級感のある店内で、「特級調理師免許」を持つ凄腕の料理人の作る上海料理が楽しめるお店です。高級感のあるお店ですが、夜も比較的リーズナブルな価格で本格的なお料理が楽しめると評判ですので、ぜひ足を運んでみてください。
筆者が「牛肉味噌炒めのクレープ包み」を食べている、ちょうどその時、近くのテーブルから「このお店は『油淋鶏』がおいしいんですのよ」との声が聞こえてきました。常連さんがそういうのであれば間違いありません。ぜひ「油淋鶏」もお試しください!
INFORMATION
上海料理 陳餐閣
- 〒662-0916 兵庫県西宮市戸田町 4-10 ルックヒルズ 2F
- 0798-35-7575
- 11:00-14:00 (L.O. 14:00)
- 17:00-21:30 (L.O. 21:00)
- 月曜日
- 阪神西宮駅から徒歩 5分
- http://chinsankaku.jp/