苦楽園口｜美味しいコーヒーに可愛らしいクッキー。居場所を探しに苦楽園へ。

　みなさんにとって「カフェ」とはどんな場所でしょうか。

　筆者は子供の頃、毎朝喫茶店に出かけていく祖父を見て「家でコーヒーを飲めばいいのに」と思っていました。その時はわかりませんでしたが、大人になるにつれて、なんとなくですがわかってきたような気がします。

　言葉で表現するのは難しいのですが、カフェは「チャージする場所」なのではないでしょうか。人それぞれですが、例えば人と話をしたり、おいしいものを口にしたりして「やる気」のようなものをチャージする、そんな場所なのではないかと思います。

　今回は、街を歩いていて見つけたカフェ「くらくえんcafé 居場所」さんをご紹介します。

住宅街に現れる隠れ家的なお店

　お店は、阪急苦楽園口から西へ徒歩 3分、小さな川のそばにあります。住宅街の隅にある隠れ家的なお店。緑のオーニングが目印です。

　「くらくえんcafé 居場所」さんは2019年にオープン。InstagramやFaceBook、Webサイトなどは作っておられますが、そのほかは特に宣伝されていないそうです。まさに隠れ家的なお店。

　店内に入って驚きました。なんとステキなお店なのかと。調度品がおしゃれで、窓から入る木漏れ日、色合いなどまさに筆者好みのお店です。

　開店して間もない時間だったので、お客さんは筆者のみ。まだ座っただけですが、ものすごく落ち着くお店です。

　メニューです。メニューにも木漏れ日が…。もうこの絵面だけでドキドキしてしまうくらいおしゃれです。お店の方が「眩しいようならレースを閉めましょうか」と尋ねてくださいましたが、この雰囲気がたまらなかったので、そのままにしてもらいました。変な人だと思われたかもしれませんが…。

　…落ち着いてメニューを見ていきましょう。コーヒーはサイフォン式。水出しアイスコーヒーもいただけます。2杯目からお安くなるところもありがたいですね。ソフトドリンクや手作りのスイーツ、キーマカレーにスコーンなどの軽食も用意されています。焼き菓子も多彩。

　そのほか、冬季限定でミネストローネやクリームスープなども楽しめるようです。寒い時期には嬉しいですね。

　今回もかなり悩みました。お店のオリジナルブレンドは確定。ほかに何かスイーツを食べたいなと思っていましたが、なんとなく珍しく感じた「クッキー」をチョイス。おじさんらしくない注文をして、できあがりを待ちます。

　落ち着いて店内を見てみると、手作りの焼き菓子が置いてありました。はぁ、これもおいしそうだなぁ。先にこれを見ていれば注文も変わったかも…と思っていましたが、コーヒーが運ばれて来た時にそのことも忘れてしまいました。

もう「かわいい」としか言いようがない

　…正直なところ、ちょっと絶句してしまうほどのかわいらしさ。コーヒーカップはもちろん、何といってもクッキーがかわいい！こんな小さいのにかわいいのはすごい。いや、小さいからかわいいのか。とにかく繊細です。

　サイフォンでいれられたコーヒーはとても香り高く、コクがあるのに飲みやすいキリッとした味。「いい朝だな」と心から思えるコーヒーです。これはおいしい。コーヒーカップのセンスもすごく好み。

　筆者はブラックが好きなので使用しませんが、砂糖とミルクの入れ物だけでもおしゃれ。シュガートングも持ちやすい方向を向いていて、ホスピタリティを感じずにはいられません。

　そしてクッキー。本当に繊細でかわいらしい。見てるだけで頬がゆるんでしまいますが、さっそくいただきましょう！

　これはアイスボックスクッキーというのかな。本当に小さいですが、しっかりおいしい。小さく薄いクッキーなのでサクッとした軽い食感ですが、しっかりバターとココアを感じます。これはコーヒーのお供にも最高。あとかわいい。

　続いてはこちらのクッキー。筆者の知識不足で名前はわかりませんが、これがベーシックなクッキーなのかな。サクッとした軽い食感の後、口の中で溶けていくような、魔法のようなクッキーです。筆者にはほのかな酸味が感じられました。これがまたコーヒーに合うんです。これもおいしいぞ。

　最後はフロランタン。独特の食感にアーモンドの香ばしさがたまりません。実は筆者はフロランタンがちょっと苦手なのですが、これは今まで食べたフロランタンの中でもダントツ。むしろ、このフロランタンのおかげで覚醒しそうなほどおいしいです。このお店に来て驚かされることばかりですが、本当においしい。もちろんコーヒーとの相性も抜群です。

　ほかの焼き菓子を見たときは、もうちょっと考えてから注文した方がよかったとも思いましたが、自分の直感を信じてよかった。かけがえのない何かに出会ったような気さえします。いやぁ、本当においしかった！