甲山｜神呪寺の門前にある、タイムスリップしたような気持ちになれるお茶屋さん

古き良き日本の「お茶屋さん」を今も守り続けるお店。

今回ご紹介する「さくら茶屋」さんは、大正時代の建物をそのまま使う、アットホームで温かい雰囲気が魅力のお店。常連さんや神呪寺へお参りする人たちに愛され続けているお茶屋さんです。

つかず離れずの優しく温かなおもてなしが心地よい、ちょっと内緒にしておきたくなるような素敵なひとときを過ごしてきたので、この記事でご紹介いたしますね。

大正時代の建物がそのまま残る趣深いお茶屋さん

今回訪れた「さくら茶屋」さんは、甲山のふもとにある神呪寺（かんのうじ）の門前にあります。公共交通機関で甲山方面へ行く場合、阪急仁川・甲東園側から行くか、阪急甲陽園側から行くかで迷うかもしれませんが、目的地が神呪寺の場合は阪神西宮からバスが便利です。

鷲林寺線に乗り神呪寺の最寄りである「甲山大師下」のバス停で降りましょう。さくら茶屋さんはバス停からそのまま奥へ進み、徒歩数分のところにあります。写真にあるように自動販売機の左側の道を奥へ進めば、すぐにお店が見えてきますよ。

伺った日は、7月下旬の晴れた日曜日。山の緑が目に美しく映るまぶしい季節です。暑いなぁ、喉が渇いたなぁと思いながらお店に近づくと、楽しそうな笑い声が響いています。

到着したさくら茶屋さんは、ご覧の通り懐かしさを感じる、昭和時代へタイムスリップしたような雰囲気のお茶屋さん。なんと建物は昭和よりもさらに前の大正時代に建てられたものだそうです！

お茶屋さんを過ぎるとそのまま神呪寺へ行けるため、お参りを先にするのもおすすめです。

お店の入り口に段ボールで書かれたメニューがぶら下がっており、気取らない店構えに心がするするとほどけていきます。

アットホームな雰囲気でいただくからこそ、美味しさが増し増しに

この日は暑かったこともあり、わたしの心は「素麺」一択で決まり。楽しそうにおしゃべりされている周囲の、どの方がお店の方かしら…とキョロキョロしていると、男性が「決まった？呼んだろか？」と声をかけてくださいました。そして大きな声で「おーい！」と…

すると、奥からいらした女将さん。わたしが「どの方がお店の方だろう」と思っていた人は、全員お客さんだったようです！みなさま仲がいい…！居心地が良く、常連さんが集いやすいお店なのだな、と微笑ましい気持ちになりました。

店先にある、縁側のような席で素麺ができるのを待たせていただいていると、先ほどの男性が気さくに声をかけてくださいました。また、奥の席に座っていた女性が「食事をするならこちらの方が便利でしょう」と席を譲ってくださる一幕も。その後はまた皆さんで仲良くおしゃべりを楽しまれています。

常連さんが集う店は「お客さまが作るお店の雰囲気」というものがありますが、さくら茶屋さんは爽やかで気取らない、それでいて相手のペースを尊重してくれる、そんな優しさと温もりを感じました。女将さんのお人柄と常連さんのお人柄とが歴史を刻みながら続いているお店なんでしょうね。わたしにも「今日はお参りですか？」と笑顔で聞いてくださりました。