PEOPLE
2019.08.07 2019/09/18
ENA
西宮人 vol.1|MARIKO ICHINOSE
profile
一ノ瀬真理子さん
1973年生まれ。同志社大学文学部社会学科新聞学専攻卒業。
株式会社リクルートHR企画制作部(求人広告)のコピーライターを経て、株式会社コピー制作室にて顧客向け雑誌等の編集を学ぶ。
2006年に広告制作会社、株式会社アールコンシャスを大阪にて設立。
2012年に拠点を地元西宮に移したのをきっかけに、西宮市の企業と西宮市の学生をつなぐ新卒求人サイトの企画制作、西宮市の中小企業の新卒採用のサポートと学生のキャリア支援に携わる。
ENA
西宮にゆかりのある、活躍されている方を紹介する「西宮人」記念すべき第一弾!
西宮の企業と学生のマッチングイベントをされている一ノ瀬真理子さんです!
今回は一ノ瀬さんのこれまでの経歴と、西宮での活動についてお聞きしていこうと思います。
本日はよろしくお願いします!
真理子さん
よろしくお願いします!
ENA
今までの経歴をみると、大学の専攻、会社員時代、独立された現在まで、一貫してマスコミに携わっていますよね。いつ頃からどういうきっかけで目指されたんですか?
真理子さん
中学生のときに「なるほど!ザ・ワールド」を見て、知らないことをみんなに伝える仕事がしたい!と思ったのがこの仕事をめざしたきっかけです。 子どものときから、専業主婦だった母には「結婚したら家事や育児をしながらマイペースで働けるよう、手に職をつけておいた方がいいよ」と言われていたので、「伝える」仕事の中でも、書く仕事なら家でもできるだろうと。それで、大学進学では新聞学専攻がある大学を選択しました。
ENA
そんな早くから!では昔から文章書くのが好き・得意だったんですね!
真理子さん
いえ、全然好きじゃなかったんです。むしろ嫌いでした(笑)。 「書くのが好き」という感覚はなくて、「伝える」ための手段ですね。コンセプトを「伝える」ために、コピーライターやデザイナーやカメラマンなどチームで媒体を作るのが好きなんです。実際は自分でコピーを担当することも多いのですが、毎回、「この企業や商品の魅力を最短距離で伝えるためにはどうすれればいいだろう」と産みの苦しみから逃れられません。
ENA
そうだったんですね!大学卒業後の就職はどのように決めたんですか?
真理子さん
就職氷河期だったので正社員にこだわりはなかったんですが、「将来フリーとして家で仕事ができる職種に就く」ということは自分の中で決まっていました。そうなると、目指す業界はやはり出版や広告業界に絞られてきます。当時、この業界に正社員で入社できるのは大学時代に体育会などで功績を残した優秀な人ばかりで、私はごく普通の大学生だったので、最初から負けを自覚して就職活動にまったく力が入りませんでした。でも、たまたま見つけたリクルートの契約社員募集に応募して、なんとか社会人になることができました。
ENA
なるほど、だからリクルートに入社されたんですね。ではなぜ求人広告?
真理子さん
学生時代から「B-ing」や「とらばーゆ」などの求人情報誌を見るのが大好きだったんです。今は仕事探しはネットですが、昔は求人雑誌でした。「この会社で働いたら自分はどんな人生になるのかな」「この会社では、どんな人がどんな思いで働いているのかな」など想像するのが楽しくて(笑)。 求人広告の制作部で部署異動のない雇用形態であることも、私にとって理想的でした。
ENA
一貫してますねー!実際どうでした?
真理子さん
求人広告の制作は、徹底的にクライアントの会社の事業や仕事内容をヒアリングして「この会社や事業にとってどんな人材が必要なのか」から提案し、さらに「どんな人が来ればこの会社で幸せに働けるのか」を考えてターゲットに響く表現に落とし込むという仕事です。 取材の相手はほとんどが中小企業の経営者で、業界もさまざま。求人広告は効果が応募数という数字で出てきますし、当時22,3歳の私にとってはなかなか厳しい世界でした。 でも、そのときに得た広告設計の考え方や仕事のスタンスは今のキャリアのベースになっていると思います。リクルートが「会社も求職者も幸せに」というマッチングを大事にしていたので、やりがいも大きかったです。
真理子さん
でも、将来フリーになるなら、求人広告だけなくもっと幅広く商品広告や雑誌など顧客向け媒体もやってみたいと思うようになり、株式会社コピー制作室という大阪の広告制作会社に転職しました。
ENA
何故そこを選んだんですか?
真理子さん
大阪を代表するコピーライターの田中睦子さんの会社なのですが、田中睦子さんが私が理想とする働き方をされていたからです。全然バリバリしていなくて。ほんわかした人柄で、お子さんを育てながら働いておられ、家庭と仕事を両立するヒントがそこにあるように思いました。仕事の面でも雑誌の編集や商品コピーを学ばせていただき、自分の仕事の幅も広がったと思います。
ENA
そして独立されたんですよね?
真理子さん
そうです。結婚を機に晴れて独立し、大手新聞社の新聞広告や雑誌の編集の仕事をメインにさせていただいていました。 2005年に双子が生まれたときには、「双子だし、仕事復帰は無理かな」と思ったのですが、産後3ヶ月のときにクライアントが「もうそろそろ仕事頼んでええの?」と電話をくださって。「難しく考えているのは自分だけで、世の中そんな感じでいいのかも!」とそのままあまり深く考えずに仕事復帰しました。実際は大変だったのですが、その企業には働く先輩ママが何人かおられ、ことあるごとに「子どもが中学に入ったら楽になるよ」とあたたかく声をかけてくださいました。そのおかげで育児が一番大変な最初の10年を乗り越えることができたと思います。 2012年には拠点を大阪から地元西宮に移し、それをきっかけに西宮商工会議所からの依頼で西宮に特化した就職サイトを立ち上げることになりました。
ENA
「サクラナビ」ですね!
真理子さん
そうです!西宮には良い企業がたくさんあるのに地元の学生や西宮の大学に通っている学生との出会いの場が少ないという課題があり、「西宮の企業と西宮の学生をつなぐ就職サイト」を制作しました。
「サクラナビ」は、全国の大学生や第二新卒、自分らしく働きたい若い人材に向けて、西宮市の企業への就職を応援するサイトです。西宮市にある優良企業の数々を紹介します!
ENA
サクラナビのマッチングはどうですか?
真理子さん
就活中の大学生や若手人材からの応募や問い合わせは増えてはいますが、実際にマッチングにつながるのはイベントですね。2017年末から「もうひとつの就活」と銘打って「企業と学生がリアルに出会ってざっくばらんに話せるイベント」を定期的に開催しています。そこで出会った企業に後日訪問する求職者が多いようです。 2018年度、2019年度はサクラナビを通して市内の企業に6名の方が入社され、現在も数名がサクラナビのサイトをネットサーフィンするかのように、興味のある企業に訪問されています。 このイベントの特徴は、学生さんが思ってもみなかった企業に出会い、どハマりして入社していくこと(笑)。「この人と働きたい!この会社で働きたい!」と目を輝かせて入社していき、今のところ全員がそれぞれの会社で活躍されています。
ENA
弊社にもサクラナビから2名入社してますもんね!
真理子さん
そうですよね!Y君が活躍している姿を見ると感慨深くて。 昔は求人広告を作って「いい人が採用できました」という報告を聞くことはあっても、入社後、実際に本人に会って話を聞く機会はあまりありませんでした。しかし今のサクラナビでは、入社後に報告に来てくれたり、こちらから取材させていただくこともあります。 将来について悩んでいた学生が、サクラナビを通じて「心の底から働きたい」と思える会社と出会い、その会社で活躍している姿や自信をつけて明るくなった姿を見るととても嬉しくなります。
ENA
昔されていた求人広告から、より深く関わるようになったんですね。
真理子さん
そうですね。昔からやっていたことが今の仕事につながってるんだなと感じます。 「仕事は万病の薬」というか、仕事が上手くいっていたら人生の半分以上は上手くいくのかもしれません。御社に入社したY君のように、自分に合う会社を見つけたり、いい就職ができた瞬間から、人生が変わったかのようにキラキラする人をたくさん見てきました。 サクラナビの掲載企業様は、自社の人材採用のためだけでなく「就活支援」の姿勢でご協力くださっています。サクラナビはたくさんの優良企業がかかわっている媒体なので、もっとみなさんに活用してほしいですね。就職活動や転職活動について「どうすればわからない」という人にこそ来てほしいです。
ENA
これからはどんな取り組みをしていく予定ですか?
真理子さん
2019年度から、サクラナビは弊社が市役所から運営を引き継ぐことになりました。なので、もっと柔軟に企画を考えていきたいです。インターンシップや若手の中途採用、学生向けアルバイト情報も掲載できるようにブラッシュアップして、学生や若手人材にとってより使いやすいサイトに更新していく予定です。
また、就活をもっと前向きで楽しいものに変えたいという思いもあります。知らない社会人にたくさん出会って刺激をもらって毎日ワクワクできるような期間にしたい。
「もうひとつの就活」では、就活期間中に社会人として必要なことを身につけられるようなサポートも考えています。就活は企業のためにするのではなく、もっと自分本位になって自分をランクアップさせる期間にできると思うんです。「面接対策」は、どこに出ても恥ずかしくないマナーや身だしなみを身につけるよい機会ですし、「履歴書の作成」は、ビジネスマンとして不備のない書類を確実に仕上げる訓練にもなります。「内定を取るための」ではなくて「幸せな社会人になるための」プログラムです。就職活動は、実践の場面がたくさんあるので、自分を磨いて学んで、実践して修正して、を繰り返すと効果的に成長できるはず。大学生や既卒生、転職者、誰もが経験する就活の時間を、もっと前向きに楽しく、充実したものにしたいです。
ENA
では最後に西宮でおススメのお店を紹介してください!
真理子さん
事務所近くの野菜料理とトリカラの店「トリカラスタンド」がオススメ。「もうひとつの就活」では、ワークショップのあとにここで懇親会をしています。
ENA
早速この後いってきます!