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西宮人 vol.7|YUICHI AKIOKA

Profile

秋岡 雄一

高校卒業後、白鹿の蔵人として約21年間勤めた後に、日本酒専門店「柿炭」をOPEN。
飲食店の日本酒のコーディネーターも請け負う。

ENA

西宮にゆかりのある、活躍されている方を紹介する「西宮人」第七弾!
今回ご紹介するのは、約20年西宮で日本酒造りに携わってきた店主が選ぶ西宮の銘酒と地方のお酒がいただけるお店、日本酒Bar「柿炭」のオーナー秋岡雄一さんです。
本日はよろしくお願いします!

秋岡さん

よろしくお願いします!

厳しい蔵人の世界

ENA

早速なんですが、秋岡さんは以前白鹿で約20年間も蔵人として日本酒造りに携わってこられたんですよね。
酒蔵って結構特殊な業界だと思うのですが、蔵人のお仕事はどうでしたか?

秋岡さん

多分の普通のサラリーマンとは全然違って、職人の世界という感じだと思います。
会社に入社したというよりは、ひとつの伝統産業の御師匠さんについたみたいな。
弟子入りみたいなイメージが強いですね。

ENA

なるほど!
辛かったことってありますか?

秋岡さん

入社したころは先輩の年齢が4,50代がほとんどで、ジェネレーションギャップがすごかったですね。
教え方も昔ながらで、そもそもマニュアルが存在せず、見て盗め、やって覚えろの世界でした。
そのへんは普通の会社と全く違って苦労しました。

蔵人から日本酒専門の「柿炭」をオープンしたきっかけ

ENA

厳しい蔵人の業界から一転、日本酒専門店の柿炭を始めたきっかけって何ですか?

秋岡さん

自分がつくったものをお客さんがどんな顔して飲んでいるのかを見たかったのが1番です。
つくりっぱなしというのが嫌だったんです。
お客さんがどう感じたのかとか、それを参考にもう一回つくったらええなという想いがでてきました。
それを反映するには、自分が外へ出て行ってお客さんの声を聴いて、それを酒蔵・酒造メーカーにお伝えする役割を担いたいと思い独立しました。

ENA

酒蔵メーカーと消費者の架け橋となってるんですね!
実際どうやってお客さんの声をお酒づくりに反映しているんですか?

秋岡さん

よく柿炭にお客さんとしてメーカーの方や蔵元さんとか作り手の方が来られるんです。
その時にぼくの意見をきいてくれる。
予定なんですが、次の秋の仕込みの時に西明石の酒造メーカーさんが僕の意見を取り入れたお酒を実験的につくろかという話があがってるんです。

ENA

すごい!こちらのお店だけじゃなくていろんなことに挑戦されているんですね。
お店もあるのにとっても忙しそう!

新しいことに挑戦し続けることがやりがい

秋岡さん

他には酒粕を使った新商品を開発しています。
実は酒粕って販売されているのは一部で、大半が産業廃棄物として処分されてしまうんです。
美味しいし食物繊維たっぷりなので、捨てるのはもったいないということで始まりました。

後は他の飲食店の日本酒のコンサルタントもしていてその打ち合わせもあるので、お店のほうは完全不定休になっています。ですので事前にご連絡いただいたほうが確実だと思います。

ENA

本当に幅広く日本酒に関わることをされているんですね!
話は変わりますが、今の仕事は以前と比べていかがですか?

秋岡さん

今の仕事は自分が考えたことが自ら形にできるのでとても楽しいです。
マイナスもプラスの自分に跳ね返ってきますしね。
あとは他の人があまりやってないことに挑戦するということはやりがいに感じます。
苦しいですが楽しさは倍です!

ENA

なるほど。やっぱり苦しさもありますか?

秋岡さん

ありますよ。
思い通りにならないこともありますし、ただの飲食店の店主やろ?と相手にされないときもあるし。
あとはいろいろやりすぎてて、あの人何してる人かわからんとか言われたりもするし。(笑)

ENA

でもいろんなことに挑戦していると、こっちで蓄積されたノウハウが今度はあっちで活きたり、相乗効果がありますよね!
かなりお忙しい日々だと思うんですが、今のモチベーションってなんですか?

秋岡さん

日本酒を広めることに携わってること。
誰もやったことのない新しいこと、例えば日本酒しか置いてない店とか、酒粕をつかった新商品を開発したりすることとかですね。

そうすることで西宮の産物が他の地域に出ていくきっかけ作りをしていること。
西宮が好きなんで、西宮を広げている仕事をしているというのもモチベーションになっています。
西宮を発信している!という気持ちで仕事をしていますね。

ENA

大好きな西宮をみんなに知って欲しい!そんな想いは私たちニシマグと一緒ですね。
そんな秋岡さんの今後の展望を教えてください!

もっと日本酒を身近な存在に

秋岡さん

日本酒を毎日の食卓にあがるようなもっと身近な存在にすることです。
日本酒は堅苦しくなくて、日常に溶け込むようなものだという情報発信の基地になりたいと思っています。
例えば、カクテルやお料理とかもっと幅広い日本酒の活用の仕方とか。

純米酒でこんな飲み方したら勿体ないとか、そんなこと気にしなくていいんです。
生酒でも温めて燗にして出しますし、もっと日本酒を自由に楽しんでほしいですね。

ENA

まだどこかで日本酒って特別なシーンで飲むものというイメージがありますもんね。
日本酒ビギナーにおすすめの飲み方ってありますか?

秋岡さん

やっぱり最初はアルコール度数の低いものから始めるといいかもしれません。
たとえば氷いれてみたり。ちょっときついなと思ったら少し溶かしながら飲んだらいいですよ。
あとはジンジャエールで割っちゃうとか!

ENA

ジンジャエール!?
日本酒専門店でその飲み方はかなり意外でした!

秋岡さん

日本酒専門店でこの飲み方を言う人はあんまりいないと思いますよ。
ただ日本酒専門店ですが、その前に僕は蔵人だったので。
蔵人って日本酒が周りにあふれていて、自由な飲み方する人が多いんですよ。
氷いれたりジュースで割る人もいるし。
日本酒専門店というより、蔵人の飲み方かもしれません。

ENA

なんか勝手にですが、そんな飲み方もったいない!って怒られるんじゃないかと思ってました。(笑)

秋岡さん

全然そんなことないですよ。自由です。
だってトマト農家でも、うちのトマト美味しいから生でしか食べない、食べて欲しくない!って言わないですよね?
逆に消費者のほうが、日本酒を日本酒道みたいな堅苦しいものにしちゃってるのかもしれません。

ENA

確かに!そう聞くと気軽に飲めそうです。

恒例の質問ですが、西宮のいいところ3つ教えてください!

秋岡さん

一つ目は海が近くて山も近いこと。素晴らしところだと思います。

二つ目は宮水があること。宮水が西宮の伝統や産業を支えている。

三つ目は利便性が良いところ。大阪や神戸へのアクセスがいいですよね。
だからといって大阪や神戸の影響をあまり受けてなくて、西宮の独特の文化や空気感があるところが好きですね。

ENA

西宮でおすすめのお店を教えてください。

秋岡さん

カフェ クルルさんのランチがおすすめです!
お店の方も気さくな方で雰囲気に癒されますよ。

ENA

今度ランチに行ってみます♪
それではインタビューはこれにて終了ですが、日本酒を楽しんでから帰ろうと思います!

★柿炭のレポート記事はこちら★

この記事を書いた人

ENA

編集長

みやっこ歴は約10年。 西宮の色々な魅力をもっとたくさんの人に知って欲しい! そんな想いで私なりの西宮の楽しみ方を発信していきます。

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