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夙川河川敷緑地(通称夙川公園)完全踏破ガイド

六甲山水系に端を発し、西宮市街地の西部を流れる夙川。その夙川に沿って河川敷のエリアは整備され、公園となっています。西宮市民にはおなじみの夙川河川敷緑地、通称夙川公園です。

桜や松が植えられ景勝地としても有名です。静かな川の流れと豊富な樹木や植物、集まる鳥たち。お年寄りが散歩のコースとして歩いている姿もよく見かけます。遊具も複数個所に設置されており、子供連れにも優しい公園です。また犬の散歩や併設された道でのサイクリングなどにもよく利用されています。

夙川公園が牙をむく!公園マニアは要注意だ

と、いう平和な姿は夙川公園の表側です。裏の顔は私のような公園踏破ニストには厳しいものです。

とにかく広い。というか長い。その長さは約4km。南北に流れているため、緩やかな勾配があります。さらに川の両岸が整備されており、公園エリアをすべて見るには、行ったり来たり2倍以上の移動が必要となります。

そんな長い夙川公園を歩いてきました。何かの参考になれば幸いです。

今回の踏破行のマイルールについて

今回は夙川河川敷緑地の最北端(上流)から最南端(下流)に向けて歩くこととしました。河川敷緑地は川の水面近くを歩けるところもあれば、土手の上しか歩けないところ、緑地が途切れているところもありますが、基本的には川が見える範囲のみを歩くというルールを自分に課して歩きます。

スタート地点を最北端に定めたため、まずは阪急夙川駅から甲陽線にのり甲陽園駅まで電車で移動しました。甲陽園駅から歩いて15分程度で河川敷緑地の最北端に着いたのですが、坂がいくつかあり、すでに息切れが始まっていました。もしかして、苦楽園口駅のほうが近かったし平坦だったのでは・・・と思いましたが後の祭りでした。

静かな流れと澄んだ水で小川の雰囲気を称えたエリア

夙川河川敷緑地の最北端に到着です。これより先は川沿いに道は続いていますが、川の近辺や土手の上は公園になっていなかったのでこちらを最北端とすることにしました。冬の河原は草が枯れてはいるものの、これから春を迎える準備をしているようにも見えました。

水は澄んでおり、底まではっきりと見えるレベルでした。

万歩計を0にセットし、ここから歩数を数えてみることにします。

早速、最初の橋です。上から眺めると川幅は1mに満たないくらいでしょうか。

蛇行しながら、飛び石を交えながら、南下していきます。

このエリアは勾配があり、川に段差ができている姿が見受けられます。人通りも少なく、水の動きを眺めてボーっとするにはちょうどいいのかもしれません。

石畳あり、草原ありでこの辺りは公園というよりは川辺の風情が強いですね。

橋の下では石の転がるエリアもあり、水鳥が遊んでいました。

浅く、川の底が見えるのは同じですが、川幅は広がったり狭まったりしながら、少しずつ水量が増えていきます。

この辺りから、護岸には木々の姿が見られます。夙川公園の景勝として有名な松もちらほら見えてきます。夙川緑地よりさらに北にある銀水橋を起点として約1km地点にあたるようです。

一つ目の鉄橋は阪急甲陽線の線路です。土手からとても近くに電車が走ります。

桜や紫陽花も目立つようになってきました。休憩用のベンチもあるので、適宜休憩しながら進みます。

川の造成もいろいろなパターンがあり、見飽きません。橋もよくみると欄干に桜のレリーフが施されていたりと小さな発見を繰り返しながら進みます。

静かな周囲と広いスペースでのんびりできる苦楽園口エリア

両岸に広くスペースがあり、しっかり造成されたエリアにつきました。阪急甲陽線苦楽園口駅の近辺です。遊具やトイレもあり、公園らしく子供の遊ぶ姿が見られました。

この辺りから、川面が護岸されたエリア一杯に広がっているのが常態となってきます。桜や松が入り混じって植えられています。

水面に反射する日の光が少し暖かく感じさせてくれます。

ところどころ川のすぐ横まで下り、川を渡れる箇所があります。また一か所目の合流地点があり、深さのあるところも出始めます。

松や桜以外の木も植えられています。実がいっぱい落ちていました。

土手の上と川面の間に、川沿いを歩けるスペースが設けられています。水量が増えてきたため、大雨や洪水時に注意を呼び掛ける回転灯がちらほらあります。

川と並行している夙川さくら道の車通りも増えてきました。大出橋あたりで万歩計を見てみると2000歩を過ぎたところでした。

唐突に水車のオブジェが道沿いにおかれています。背景の松と合わさり、ここだけ時代が違って見えます。

この近辺は、土手のさらに上に石畳敷きの整備されたエリアがあります。遊具も木製であったりと、少しだけ雰囲気が違うようです。夙川公園の中でも広い面積が取られているエリアです。

2本目の合流地点です。合流したあたりで大分深くなり、この辺りから川底が見えないところも出てき始めました。

車は通行できない「こほろぎばし」は、なかなか面白い構造でした。

駅近で花見もにぎわう、スポット多数の阪急夙川駅エリア

いよいよ阪急神戸線夙川駅が見えてきました。夙川駅は夙川に一部かかる形で作られており、駅の中からも夙川公園や夙川を見ることができます。この日はいませんでしたが、駅の横にあるスペースではよく猫が日向ぼっこしている姿が見られます。

一度ここで公園は途切れます。電車の通る下を通って向かい側に出ます。阪急夙川駅のロータリーがあり、その先には羽衣橋がかかっています。羽衣橋の上を通るのは山手幹線です。ここまでくると車も人も大分増え、スタート地点からは大分雰囲気が変わったことを感じます。川幅も急に広くなり10mくらいはあるでしょうか。

少し進むとまた公園らしいエリアが現れます。片鉾橋、夙川公民館、片鉾池などを横目に川沿いを進んでいきます。公園は片鉾池の周りをぐるっと囲むようにつながっています。

この片鉾池の手前には夙川延命地蔵が祀られていました。

そのまま南下していくと、今度はJR神戸線の線路に突き当たります。この線路の下にも通路があり、そのまま川辺を歩き続けることができます。さくら夙川駅は東に100mくらいの位置にあります。

線路の下をくぐってすぐのあたりにお堂があり、こちらもお地蔵様が祀られています。慰霊碑や不動明王も祀られています。

川幅も広く、流れも力強さを感じさせます。

夙川公園内の花の広場と名付けられたエリアを通り抜けます。きっと季節には花の姿が見えるのでしょう。

町中のオアシス。人通りも多く、サイクリングにもおすすめな夙川橋エリア

国道二号線に突き当たると、そこは夙川橋です。石畳や外灯、欄干などがレトロなデザインです。

国道二号線にさえぎられる形で公園は分断され、また道の反対側から公園の続きです。この国道二号線より南側には、公園に並列する形で夙川オアシスロードと呼ばれる舗装された道路が作られています。勾配も大分緩く、自転車で気持ちよく走り抜ける人や犬の散歩をする人が見受けられました。

この辺りの石像やお地蔵様、塚には防寒用の服や花が供えられており、日々通っている人がいるのがわかります。

また川に近づけるようになっていました。飛び石もあり、川を渡れるようにもなっています。

少し開けたエリアがあり、遊具や砂場のある子供向けの施設が整っていました。幼稚園などの帰りの親子連れでにぎわっていました。

鳴尾御影線の横には辰馬考古資料館 (たつうまこうこしりょうかん)が見えます。

松も多く海が近づくのを感じさせる、阪神香櫨園エリア

さらに進むと川の上にかかる建物が見えてきます。阪神神戸線の香櫨園駅です。

駅の近辺にはお店や交番、トイレなどがあり、とても歩きやすくなっています。

駅の下を抜けると、その先も川の上に何かかかっているのが見えます。国道43号線および阪神高速3号神戸線です。またも夙川橋(2号線のところの夙川橋とは別の橋)を渡り、43号線の下を通って進みます。

香櫨園駅、43号線を超えると、植わっている木が桜より松の方が多くなっていきます。かつての防風林であったのでしょうか、なんとなく海が近くなっていることを感じさせます。

いよいよ道案内にも浜が登場してきました。長い道のりでした。

酒蔵通りと交差する地点には大きな石に夙川公園と彫られた文字が見えます。また酒蔵通りが通る橋は新翠橋という名前だそうです。

すぐ先には翠橋もありました。この辺りまでくると水量も安定しています。

川辺に梅が咲いていました。水鳥も現れ、優雅な景色です。

やがて川は底が深くなっていき、ごつごつした岩から砂に近い石が底面には見えるようになってきます。汽水域の雰囲気が出てきました。

やがてかわいい大きさの芦原橋を超えると、臨港線と交差します。臨港線が通るのは浜夙川橋です。

まぶしい水面が迎えてくれる夙川河口エリア

浜夙川橋の下は通りぬけることができます。しかし、途中で緑は途切れ砂浜のような地面になります。どうやらここが夙川河川敷緑地の最南端のようです。

目の前には浜が見えています。向かって左(東側)が御前浜(御前浜公園)につながっており、右(西側)は香櫨園浜につながります。香櫨園浜の先は芦屋市です。

いよいよ海が見えてきました。ふと思い出して万歩計を取り出すと6678歩を示していました。運動不足の体には相当堪える歩数です。

おまけで河口付近まで歩いていくと夙川の終点(または始点)を見つけました。ここまでくると広い夙川公園にも何か親しみのようなものを感じることができました。

INFORMATION

夙川河川敷緑地