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西宮北口|ラムネも飲める! 誰でもウェルカムな共生型地域交流拠点!

 筆者が子どもの頃、学校が終わるとお小遣いを持って、毎日のように近所の駄菓子屋さんへ走っていきました。さまざまな駄菓子のほか、ちょっとしたおもちゃやゲームの筐体、あとは花火なんかも置いてあったように思います。

 町にはいくつか駄菓子屋さんがあるのですが、愛想のいいおばちゃんがやっているお店は特に人気があり、人気店へ行くと友達と会えることもしばしば。そこで友達と熱くなったのが、人気アニメのマグネット。

 ちょっと言葉では表現が難しいのですが、お店の商品棚にヒモで結び付けられていて、1回20円くらいで引けるくじみたいなものです。その頃は「聖闘士星矢」や「SDガンダム」のくじが盛況でした。小さい紙袋に入っているので引くまで中身がわからず、どっちがキラキラのマグネットを引くか勝負したもんです。当時は「トレーディングカード」という概念もなかったのですが、今思えばその先駆けなのかもしれませんね。

 そんな楽しい思い出がいっぱい詰まった個人経営の駄菓子屋さんも、本当に見かけなくなってきました。…と、懐かしい気持ちに浸りながら西宮北口界隈を歩いていると、何やら新しいお店ができていることに気付きました。

 入口の外にちょっとした人だかりができていたので、何だろうと思い近づいてみると…ジャガイモの袋詰!? でもお店の中はお子さんでいっぱい。何の店なんだと思っているとお店の方が「よかったら中も見ていってくださいね」とお声がけくださったので、お言葉に甘えることに。

 今回は、「お茶の間 ぷちだがしやさん」をご紹介します。

2023年7月17日オープンのお店

 お店は、阪急西宮北口駅から北西へ徒歩 2分、「Luna Pleine(ルーナプレヌ)」さん、「日本料理 花ゆう」さんのお隣で、以前「ア・ラ・カンパーニュ 西宮北口店」さんのあった場所です。

 この日はお店の前で「ジャガイモの袋詰」をやっていましたが、これはたまたま野菜が入ったからだとか。しかも1回200円という安さ! 八百屋さん…でもないし、何のお店なんだ…。さっそくお店の中へ入ってみます。

 なんと駄菓子屋さん!? しかもかなりの種類の駄菓子がそろっています。

 いやぁ、すごい。これはもう完全に駄菓子屋さんです。昔懐かしいスナック菓子や、つまようじで食べるグミみたいなフルーツ餅など、筆者が子どもの頃からあるラインアップも完備。

 西宮北口駅から徒歩 2分という超好立地で「駄菓子屋さん」を新規オープンさせるというのはものすごいことだと思います。

 おぉ! しかも飲み物もある!!

 みかん水! これって幻の「アップル」じゃないの!? さらに昔懐かしいメロンソーダ。ワンエースのガラス瓶がたまりません。そしてラムネ。生まれて初めて栓を開けた時は返り討ちにあって大変でした。さらにはコーラもあります。何にせよガラス瓶は味わいがあっていい!

 この日もすごく暑い日だったので、ラムネをお願いしました。レジは若いお姉さんだったのですが、ほかのスタッフさんに「私、開けたことないですけどどうすればいいですか?」と聞かれていたのでスタッフさんと一緒に笑ってしまいました。いや、そうだよね。なかなか開ける機会ないもんね。

 お店にはイートインスペースもあります。奥のスペースでは何やらイベントが行われていたので、お店の入口すぐのところにある席に座らせていただきました。しばらくして、開けてもらったラムネが登場! ありがとうございます!

夏にはやっぱりキンキンに冷えたラムネ!

 おー! いいですね! しかもキンキンに冷えてやがるっ…!

 どことなくレモンを感じるさわやかな炭酸飲料。炭酸もそこまで強くないのでサッと飲めますが、一気に飲もうとしてもビー玉がストッパーになってくれるので、安全に(?)飲めるところも魅力です。やっぱり暑い時期にはこれが一番。しかし懐かしい味だ…。

 おいしくいただいている間も、子どもを連れたお母さんが続々と店内に入ってきます。子どもが嬉しそうにカゴを持ち、「これいくらですか?」とスタッフさんに聞きながら、真剣に駄菓子を選んでいる姿を見ていました。

 そうなんです。駄菓子屋さんは、子どもが「今持っているお小遣いをどう使えば最適解に導けるのか」を考えながら買い物できるところが最大の魅力なんです。

 小学校で習う算数の教科書に「太郎君は200円持っています。30円のチョコレートを3つと…」みたいな計算問題もきっとあるでしょう。ですが、言ってしまえば「太郎君」は結局のところ他人! 自分じゃないんです。

 計算問題の主人公を自分に置き換えられる場所。それが駄菓子屋さんなんです。そういう意味でも駄菓子屋さんは本当に貴重な場所だと筆者は考えています。

 ほかにも、お菓子の詰め合わせに対応してもらえたり…

 昔懐かしいグライダーも売っています。ゴムで引っ掛けて飛ばすやつ。これ、めちゃめちゃ飛ぶんですよ。そして…

 あった! こんなやつだ!

 マグネットのやつ! 今はシールが主体なのかな。ちいかわやディズニーなどいろいろな種類が置いてありました。

 いいなぁと思って見ていると、スタッフさんが「こんなのもあるんですよ」と、レアな駄菓子を教えてくださったので、ついでに少しお話を聞きしました。

共生型地域交流拠点

 このお店は駄菓子屋さんなのですが、駄菓子屋さんではなく、特定非営利活動法人「にしのみや時代育成支援協会」が運営されている共生型地域交流拠点! 地域に住む人や、学校に行きにくい子ども、障害のある方や高齢者の方などが交流できる場所。

 「ゆげ焙煎所」さんのコーヒー豆でいれる季節のコーヒーが飲めたり、各種ワークショップも開催されているようです。この日、奥のスペースでは「手話」のワークショップが開催されているとのこと。

 お店の前にイベントの告知がありました。すごい! 麻雀教室みたいなのもやってるんですね。点数計算がまったくわからないんで、ちょっと興味あるな…。

 筆者がお店にいた時間は15分くらいだったと思いますが、その間もたくさんの人が訪れていて、みなさん笑顔になっているのが印象的でした。こういう場所は本当に貴重だと思います。

 昔懐かしいラムネや駄菓子、おいしいコーヒーやワークショップも楽しめますので、みなさんもぜひ足を運んでみてください!

 次回は、ちいかわのシールコレクションを引いてみたいと思います!

※価格、営業時間、メニューなどは当時のものです。詳しくはお店でご確認ください。

INFORMATION

お茶の間 ぷちだがしやさん