大社小コミスク|キャリア教育の授業を覗かせていただきました

西宮人vol.10でお世話になった朱宮さんは大社小地域のコミュニティ・スクール推進員をされています。コミスクの活動の一つとして、大社小学校にて地域の方を講師として呼んで、6年生向けにキャリア教育の授業を行うと伺い、取材させていただきました。

キャリア教育って?

小学生向けのキャリア教育とは、この記事を見ている方には耳慣れないかもしれません。それは、これまでは行われてきていなかったからです。私も知りませんでした。近年、重要視されるようになり、小学校の現場でも行われ始めているようです。

これから進学し、いずれ仕事につく小学生に向けて、講師の方から働くことや仕事のやりがい、夢などをお話しいただき、将来の仕事について考えてもらう授業です。

地域、学校、保護者の三者を繋ぐコミュニティ・スクール活動の利点を活かし、地域の様々な仕事をされている方をお呼びしてお話しいただきました。

なお、キャリア教育の前に朱宮さんより仕事(キャリア)について早い段階から考える重要性やキャリアに関するぶっちゃけ話の事前授業が実施済みです。

今回の授業では、5名の方にお話を聞かせていただき、その後、質疑応答の流れです。授業は2コマ分で、児童は事前に希望をとった興味のある二人分のお話を聞きに行ける形式でした。

・もりもとさん:キッズアートクリエイター/デザイナー(ハピネスキッズアート・代表理事)

・黒田さん:獣医(クーパー動物病院・院長)

・竹内さん: ドローン操縦士 /インストラクター(日本コンピューターネット株式会社)

・柴田さん:消防士(元瓦木消防署・署長)

・谷口さん:パン職人(FRIANDRE・オーナーシェフ)

(順不同)

以下、少し覗いてきた中で聞けたお話を少しだけ書いていきます。

自分にしかない宝物を見つける

もりもとさゆりさんは「ハピネスキッズアート」の代表理事をされているキッズアートクリエイター/デザイナーです。

「アートってどんなもの?黒板に絵をかいてみよう。」という子どもたちが興味を持ちやすいところから話は始まりました。まずやってみること、人と違うことをかんがえてみること、自分にしかない宝物を見つけること、自分を信じて自分の未来は自分でデザインする。自己実現と仕事のつながりを子どもたちも感じたのではないでしょうか。

子どもの失敗は経験。いろんなことをやってみよう

黒田美奈子さんはクーパー動物病院の院長をされている獣医さんです。

様々な生き物を飼ってみる子どもだった黒田さんのお話から始まり、いろんなことをやってみること、できるだけ失敗すること、子どものうちの失敗は経験であるというやりたいことを探すためのヒントをお話しいただけました。また、動物が好きでも、医療行為をするため獣医は動物に嫌われる、好きだけだとつらいかもという言葉には、働くことは単純ではないことを子どもと一緒に感じました。

なりたかったものに必ずなれるわけではないけれど、ドローンに可能性を感じて

竹内良介さんは日本コンピューターネットという会社でドローン操縦士をされています。

オンラインでのお話でしたが、ドローンからの風景に子どもたちは食い入るようにディスプレイの前に集まっていました。子どものころになりたかった仕事、実際に就いたそれと関係のある仕事、そしてキャリアをリセットしてドローンの仕事へという道すじをお話しされていました。キャリアはいろんな方向に開いているという実例を子どもたちに示していただいたように感じます。そして、今はドローンの可能性を追求し自治体と荷物配送にチャレンジしているという夢、やりがいについても深く印象に残りました。

やりがいが見えることは少ないけれど、それでも人を助ける

柴田譲二さんは現在は引退されておりますが、消防士として勤めてこられ、瓦木消防署の署長をされていたそうです。また、大社小学校の卒業生でもあります。

消防士のヘルメットと分岐管の実物を持ってきて子どもたちに見せると、子どもたちはさっそく目を光らせ食い入るように話に食いついていました。消防士という仕事は警察、自衛官よりも殉職が多く3Kの仕事というリアルを伝えつつ、滅多に見えないけれどそれでも誰かを助けて「ありがとう」といわれたときの仕事のやりがいについても話しておられました。今日、話を聞いた子どもの中にも未来の消防士がでてくるかもしれません。

モノを作る人間は作ったものがどう使われるか考える

谷口佳典さんは西宮で三代続く老舗のパン屋さんFRIANDE(フリアンド)のオーナーシェフで、フランスで行われる製パン国際コンクール“モンディアル・デュ・パン”に出場され、第八回では日本代表として総合優勝を果たした世界一のパン職人です。ニシマグでも西宮人Vol.5に登場いただいています。

コンクールでのパンの姿に子どもたちが驚きの声をあげるところからお話が始まり、パン屋さんへの就職、フランスに渡ってシェフを勤め、ご実家のパン屋さんを継いだというキャリアを聞かせていただきました。また、コンクールに挑むことについてはマイケルジョーダン氏の「挑戦せずにあきらめることはできない」という言葉を引いて、働く中でも挑戦を続け、世界を広げていく夢ややりがいの一つの形を見せていただいたように思います。モノを作るという仕事に話が広がり、使われるところを想像するというアドバイスはきっと話を聞いた子がどこかで活かすのではないでしょうか。

キャリアについて考える機会に

お話を聞いた後は、各自教室に戻って振り返りのプリントなどを書いていました。児童の皆さんが真剣にプリントに向かっている姿が印象的でした。

今日のキャリア教育を受けて、児童たちは何を感じたのでしょうか。
それぞれの振り返り・感想をいくつかご紹介します。

児童

夢はまっすぐ進むのではなく、寄り道してもいいということを教わりました。

児童

「何回も失敗すればいい」という言葉が心にささりました。

児童

将来自分が何をやっているのかもわからないし、何をやりたいのかもわからないけど、今回の話を聞いて、自分がやりたいこととか楽しそうだなと思うものをやってみたらいいのかなと思いました。

児童

失敗を恐れず夢ではないことでもやってみると将来自分の引き出しになるからという言葉を聞いて、挑戦することにこそ本当の価値があるんだということに気づきました。

先生からも「児童は普段の授業と同じかそれ以上の集中力で取り組んでいますね。」とのコメントをいただきました。

「なんで勉強しなくちゃいけないの?」自分の子によく聞かれるのですが、本日のお話の中で「やりたいことが出てきたときに、それに挑める選択肢を残しておく」という見解を共通して聞きました。児童にも大人たちの声に共通する大切なことが伝わったのではないでしょうか。

また、家に帰ってキャリア教育の授業について親と会話し、やりたいことについて話すきっかけにもなりそうですね。