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西宮ウォーキングガイド|甲山八十八ケ所巡りスタート地点を探せ編

実は西宮市内に八十八ケ所巡りがあるのをご存じでしょうか。門戸厄神東光寺や鷲林寺にもあるようなのですが、一番規模が大きいと思われるのが甲山の神呪寺(かんのうじ)の近辺にある甲山八十八ケ所です。今回はこの甲山八十八ケ所を巡っ・・・てみようとして近隣をふらふらし、八十八ケ所はとりあえず断念したウォーキングをお伝えいたします。

八十八ケ所もあったら写真には事欠かないぞ・・・って少し甘かった。

八十八ケ所巡りとはそもそもは四国の空海(弘法大師)ゆかりの仏教寺院をめぐる巡礼です。甲山の八十八ケ所はその昔、四国まで八十八ケ所を巡りに行けない人のために作られたものだといいます。そのため、それぞれのポイントには四国八十八ケ所の寺院の名称がつけられているようです。

というのは後付けで調べた情報で、「甲山に八十八ケ所巡りがあるらしい、なら行ってみよう」と何も考えずに向かいました。にしのみや観光協会サイトに八十八ケ所巡りの地図があることを知ったのは帰宅後です。

今回の地図は詳細な情報が確認できず大体の見当で番号を付けています。特に道路を外れた山道を歩いた箇所については、自分でもどう動いたのか微妙なところです。所要時間の目安は①~②10分、②~③10分、③~④25分です。

ちなみに筆者は大柄な30代男性です。写真をとったりメモをとったりしながら歩くので、足取りのしっかりしたおじいちゃんくらいの早さです。行きつ戻りつしながら適宜休憩もしています。時間や歩数は大体の目安にしてください。

①~②甲山森林公園駐車場から謎の山道へ。足場が踏み固められてはいる山道コース。10分

11:10過ぎ、今日も天気がいいなあ。県立甲山森林公園バス停や甲山森林公園の駐車場のあるあたりからウォーキングをスタートします。少し周りを見回してみたけれど、どっちに行ったものかもわからない。あまり何も考えずに少し下ってみます。

なんの案内もない脇道を発見。脇道に入ると小さな石仏?がいらっしゃいました。「あ、これもしかして八十八ケ所巡りと関係あるんじゃない?そんなにおいがプンプンするぜ」と、いわゆる野生の勘といわれるものを信じて脇道に入ってみます。・・・自分の勘はあまり信じられたものではないこと、信じて何度も痛い目にあってきたことを思い出したのは後のことです。

脇道を入っていくと、野生のツツジや切り立った斜面、根がこんがらがった木、巨大な石とさっそく山の中にいるのを感じられます。なぜか田舎の山を駆け巡った子供のころのような気分に帰りました。木陰の中はほんのり涼しく、空気は気持ちよいような気がします。

少し、ワクワクした気分もつかの間、カラスのギャアギャア鳴く声に脅かされます。まあ、これも賑やかし、と考えて進みます。

さらに進んでようやく舗装された道が見えてきました。神呪寺の案内もありホッとしつつ、逆の分岐に進みます。

さらに進んでいくと数件の家屋がありました。さらに先には鳥居やお社、竹林と神社のような雰囲気なのですが地図では確認できませんでした。神様が祀られていることは間違いないので、騒がしくせず敬虔な気持で進んでいきます。

ローカルな信仰が生き残っているのでしょうか。神様の名前や石像が祀られています。

その先には山から水源を引いているようで、高いところから水を流して小さな滝のようにしている箇所もありました。水ごりに利用されているのかもしれません。

②~③水場からフラフラと。気が付いたら神呪寺の梺。山道と舗装道が混じる。10分

水源の方向に階段を見つけ登ってみます。その先には大きな岩がありました。山中で見るとなんとなく荘厳な気がします。さらに上の方にも岩があり、その上から周りを眺めてみたい気もしたのですが、足元が不如意なためぐっとこらえます。

足元が踏み固められたほうに進んでいくと、石垣や石仏が見えてきます。人の手がかかったものを見ると少しホッとします。

ようやく明るく開けたところに出ると農業塾との表記がありました。

その横を通る道に、ついに見つけました「十三番」や「八十八ケ所巡路」の文字。フラフラ歩き回ることでついに八十八ケ所の手掛かりにたどり着いたのです。

③~④くねった斜面のバス道路沿い。ようやく八十八ケ所巡りの手掛かりへ。プチハイキング感。25分

11:41そこは甲山大師下のバス停でした。何のことはなく、スタートした地点をバスの通る道沿いに上がっていけばたどり着けたようです・・・。1213歩

そのまま神呪寺の仁王門を見に行ってみます。ちなみに甲山大師とは神呪寺の通称です。迫力ある仁王様ですが工事中のようです。

神呪寺の敷地内と思しき所に甲山公園の石の看板がありました。さらには五ケ池につながるピクニックロードも。前回のウォーキングでついたところまで行ってみたい気もしましたが、グッと我慢です。

バスの通る道沿いに坂を下っていくと・・・八十八ケ所巡りの仏様がいっぱい。どうやらここまで八十八ケ所巡りの仏様を避けて通ってきたようです。

甲山森林公園にもちょろっと寄ってみます。岩が並ぶところから市街を見渡します。カスミの先に見えるのはどのあたりなのでしょうか。何となくスッキリしてしまいました。

12:05なんのことはありませんでした。ついに見つけた八十八ケ所巡りの一番札所はスタート地点の甲山森林公園駐車場のすぐ横でした。壮大な遠回りをしていたことになります。2175歩。※甲山森林公園の駐車場は複数に分かれています。一番山頂側の駐車場横に一番札所はあります。

ポッキリ。心の折れる音がしました。

戦いはまだ始まったばかりだ!(つづく)

今回のウォーキングはここで終了することにしました。リベンジを胸に誓い、戦略的撤退です。いや、ぎっくり腰が治ったばかりですし、装備も甘いしetc必死に自分を納得させる言い訳を探します。

ウォーキング的には森林浴というのでしょうか、すがすがしい山の空気を感じることができ、気持ちよいのは間違いありません。舗装された道を通ってもアップダウンはあるため、それなりの運動になります。また八十八ケ所巡りをする場合は、狭い山道を通る必要もあるので注意が必要です。

山を甘く見てはいけなかったです。神域といわれるだけのことはあります。次回は、装備をきちんと整えてくること、そして精神的な覚悟を決めて挑むことを心にインプットし、山を後にしました。

INFORMATION

甲山八十八ヶ所巡り